Pioneering SpiritによるBorWin5設置完了

2025年5月20日、Allseasは北海で洋上HVDC(High Voltage Direct Current:高圧直流送電)変換所BorWin epsilonの設置が完了したことを発表しました。
高圧直流送電技術を搭載したトップサイドの重量は12,500トン、それを支える基礎のジャケット重量は7,500トン。ジャケット基礎杭設置やグラウト充填を含むすべての設置作業は「Pioneering Spirit」1隻でおこなわれました。
Allseasの掲載情報によると、2週間に及ぶ洋上作業は5月18日に終了。洋上HVDC変換所であるBorWin epsilonは、2025年末に稼働開始予定。BorWin5洋上送電網の中核として、EnBWが開発を進めるHe Dreiht Offshore Wind Farmのハブとして機能し、洋上風力タービンにより発電した900MWの電力を陸上送電に変換する。
Allseasにとって今回のBorWin epsilon設置は、2022年のDolWin kappaプロジェクトに続き、2件目の洋上コンバータプラットフォームの完全設置になるという。
2024年4月にAllseasは送電事業者の50Hertzと「Gennaker Offshore Wind Farm」向け洋上変電所2基の輸送・設置について契約締結を発表しています。
Pioneering Spiritによる設置作業




「Pioneering Spirit」によるBorWin epsilonの設置作業では、ジャケット設置に容量20,000トンのジャケットリフトシステム(JLS)、ジャケット基礎杭の設置に5,000トン吊りの旋回クレーン、そしてトップサイドの設置には容量48,000トンのトップサイドリフトシステム(TLS)が使用されました。
実際の現場では様々な苦労があったと思いますが、これだけ巨大な構造物の設置作業をいとも簡単に成し遂げてしまう「Pioneering Spirit」の能力には驚くばかり。
- 旋回クレーン 5,000トン
- ジャケットリフトシステム(JLS) 20,000トン
- トップサイドリフトシステム(TLS) 48,000トン → 60,000トンへアップグレード予定
「Pioneering Spirit」

船名 | Pioneering Spirit |
総トン数 | 403,342トン |
長さ | 382m |
幅 | 124m |
スロット | 長さ:122m 幅:59m |
速力 | 14ノット |
宿泊設備 | 571人 |
トップサイドリフト容量 | 48,000トン |
ジャケットリフト容量 | 20,000トン |
搭載クレーン | 5,000トン |
船籍 | マルタ |
建造年 | 2014年 |
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