NASAが2021年12月に打ち上げたジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡。2022年7月には撮影した深宇宙の天体写真が公開されたばかりですが、2022年5月下旬に微小隕石が衝突していたそうです。
微小隕石の衝突
ハッブル宇宙望遠鏡の後継機として開発されたジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は、2021年12月にフランス領ギアナのクールーにあるギアナ宇宙センターから打ち上げられた。2022年1月には主鏡が完全に展開。主鏡の位置合わせが完了した3月には撮影した鮮明な写真が公開された。
ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が展開されるラグランジュ点は地球から約150万km離れており、宇宙空間を漂う微小隕石と、たびたび衝突することが予想されていました。
宇宙空間を高速で移動する微小隕石と宇宙望遠鏡が衝突すると大きなダメージが及ぶ可能性があります。そのため、NASAは微小隕石の衝突に耐えられるようにジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡を設計しており、既知の流星群が飛来した際には光学系を保護する操作も可能になっているとのこと。
Webb: Engineered to Endure Micrometeoroid Impacts
(ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡:微小隕石の衝撃に耐えるように設計)
Webb: Engineered to Endure Micrometeoroid Impacts – James Webb Space Telescope (nasa.gov)
NASAの記事によると、2022年5月23日~25日にかけて、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の主鏡セグメントの1つに微小隕石が衝突したと報告した。
これ以前にも、打ち上げから合計4回の微小隕石衝突があったそうですが、サイズはいずれも想定の範囲内だったとのこと。今回報告された微小隕石は事前の想定よりも大きなサイズであり、地上でテストできたものを超えていたようです。
ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の主鏡は、極薄の金メッキでコーティングされているベリリウム製の主鏡18枚で構成されており、直径は6.5m。
今回影響を受けたのはあくまで主鏡の一部であり、まだ傷が付いていない17枚の鏡を調整することで性能は維持されており、依然として打ち上げ前の期待値を超えているとのこと。
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