「Nordseecluster A」向け最初のモノパイル完成
中国のDajin Heavy Industry(大金重工)は、ドイツ沖合で建設予定の洋上風力発電所「Nordseecluster A offshore wind project」向けとなる最初のTPレスモノパイル製造が完了したことをLinkedInの投稿で明らかにしました。
「Nordseecluster offshore wind project」は、ドイツ北西部にあるユイスト島から北へ35kmの北海に建設が予定されている総発電量1,560MWの洋上風力発電所。15MWの風力タービン44基で構成される「Nordseecluster A」および60基で構成される「Nordseecluster B」があり、大金重工は合計104基の風力タービン基礎となるモノパイルを製造する。
大金重工はモノパイル輸送も担当
大金重工はLinkedIn投稿の中で今回の「Nordseecluster offshore wind project」はデンマークの「Thor offshore wind farm」に続いて輸送責任を負う2番目の海外オフショア基礎プロジェクトであると述べています。
輸送するモノパイルは、1基当たり最大で1,750トン。拠点港がどこになるのか分かりませんが、中国の山東省 煙台市 蓬萊区にある大金重工の蓬莱生産基地から「Nordseecluster offshore wind project」の設置エリア付近までの輸送距離はスエズ運河を通るルートで約21,000km(約11,300海里)、喜望峰を通るルートだと約28,000km(約15,100海里)。その差は約7,000km(約3,800海里)。平均10ノットで航行した場合、輸送期間に約16日間の差が発生する距離。2024年10月に輸送された「Thor offshore wind farm」向けとなる最初のモノパイル8基はスエズ運河を通るルートで輸送されており、同じルートで輸送される可能性が高いのかもしれません。
巨大なモノパイルを地球の裏側まで輸送する作業にはさまざまなノウハウや専門性が必要になりますが、製造会社が輸送まで担うことで無駄のないスケジュール調整が可能となり、メリットは多くありそう。
Nordseecluster offshore wind project
「Nordseecluster offshore wind project」は、ドイツ北西部にあるユイスト島から北へ35kmの北海に建設が予定されている総発電量1,560MWの洋上風力発電所。事業者は、RWEとNorthland Powerの合弁会社。4つの風力発電サイトで構成されており、2段階のフェーズで建設が計画されている。
「Nordseecluster A」は、N-3.7(225MW)とN-3.8(435MW)で15MWの風力タービン44基で構成され発電容量は660MW。
「Nordseecluster B」は、N-3.5(420MW)とN-3.6(480MW)で構成され、発電容量900MW。
2023年4月にVan Oordは、「Nordseecluster offshore wind project」の風力タービン基礎輸送・設置について優先サプライヤーに選ばれたことを発表しています。そして、設置作業には中国のYantai CIMC Rafflesで建造中のSEP起重機船「Boreas」を建造後の初プロジェクトとして配備することを明らかにしている。
15MWの風力タービン輸送・設置については、Havfram Wind が選ばれており、「Boreas」と同様に中国のYantai CIMC Rafflesで現在建造しているSEP起重機船「Norse Wind」「Norse Energi」が配備される予定。
「Nordseecluster A」の風力タービン設置は2026年に開始され、運転開始は2027年初頭の予定。「Nordseecluster B」の風力タービン設置は2028年に開始され、運転開始は2029年初頭の予定。
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