Havfram初のSEP起重機船「Norse Wind」進水

Havfram初のSEP起重機船「Norse Wind」進水 起重機船、クレーン船
スポンサーリンク

Havfram初のSEP起重機船「Norse Wind」進水

2025年2月11日、中国の山東省 煙台市にあるCIMC Raffles Offshoreで建造しているHavframSEP起重機船Norse Wind」の進水式がおこなわれました。

Havframにとって初となるSEP起重機船「Norse Wind」。船体設計はNOV海洋事業の一部であるGustoMSCによるもので、NG-20000Xという型式。Havframから新造船に関する船体寸法などの情報は公表されていませんが、NG-20000Xの標準仕様は長さ151.1m、幅58m、レグ長さ120m、最大作業水深70m。

搭載するクレーンはHuisman製で最大吊り上げ能力3,250トン。フル電動のLEC(Leg Encircling Crane)となっており、ブーム長さ155mで甲板上からの揚程は約180m、20MW以上の風力タービン設置が想定されている。

Havframは、CIMC Raffles OffshoreとSEP起重機船2隻の建造契約を締結しており、「Norse Wind」は1隻目にあたる。2023年9月にSteele Cutting Ceremony(鉄鋼切断式)がおこなわれた時点で発表された完成・引き渡し予定は1隻目が2025年8月、2隻目は2025年第4四半期後半というスケジュール。

NG-20000Xの標準仕様

型式NG-20000X
長さ151.1m
58.0m
甲板スペース5,600m2
レグ長さ120m
最大作業水深70m
Havframの3,250トン吊りSEP船建造スタート
SEP船の完成イメージ
出典:Havfram
船名建造番号クレーン能力着工起工進水引き渡し予定
Norse WindH5883,250トン2023年9月2024年2月2025年2月2025年8月(予定)
Norse EnergiH5893,250トン2024年1月2025年第4四半期後半(予定)
HavframのSEP起重機船2隻の建造進捗および予定

半潜水式バージを使用した船体進水

出典:Havfram

HavframがLinkedInで公開したSEP起重機船「Norse Wind」進水の様子を見ると、船体進水には2隻の半潜水式バージが使用されたようです。

2025年1月に引き渡しがおこなわれたVan OordのSEP起重機船「Boreas」の船体進水でも同様に半潜水式バージ2隻を使用していました。「Norse Wind」よりも船体寸法が大きいと思われる「Boreas」は、船体重量は37,000トン、スキッドウェイ(skidway)と呼ばれる移動に使用するレールや機材などの重量を含めると総重量は43,000トンでした。

ゲートで仕切られたドック内での建造では注水することで船体を進水させることができますが、ドック以外の場所で船体を建造するとSPMT(自走式多軸台車)を使用した移動や半潜水式バージでの進水といった難易度の高い手順が必要となる。いろいろ問題はあったでしょうけど、経験を積み重ねることで確実にノウハウが蓄積されていることを考えると単純にスゴイと思う。

アメリカで建造している初のジョーンズ法に準拠したSEP起重機船「Charybdis」の進水では、半潜水式バージ3隻に加えて、「Charybdis」に搭載しているレグも使用した興味深い進水方法が実践されています。

スポンサーリンク
興味深い海の世界

あらゆるものが巨大な海の世界。
なかでもインパクトの強い画像を中心に海の世界を紹介。

スポンサーリンク
世界のサルベージ オペレーション

来島海峡で水深60mの海底に沈んだ全長約170mの「白虎」引き揚げをはじめ、日本国内でも多くのサルベージオペレーションがおこなわれています。
世界各地で実施されている困難なサルベージの数々を紹介。

タイトルとURLをコピーしました