重量37,000トンの船体を半潜水バージ2隻で進水、驚くべき方法
中国の山東省烟台市にあるYantai CIMC Raffles Offshore(烟台中集来福士海洋工程)で建造中のSEP起重機船「Boreas」は先日進水作業がおこなわれましたが、その進水方法は驚くべき方法で実施されていたようです。
建造中のSEP起重機船「Boreas」は長さ176m、幅63m、深さ13.2m。進水時の船体重量は、37,000トン。進水時にVan Oordが公表した画像から半潜水バージを使用していたことは分かっていましたが、なんと縦に半潜水式バージ2隻を並べた状態で進水作業を実施。
建造場所から半潜水式バージ甲板上までは、スキッドウェイ(skidway)と呼ばれるレールの上をストランドジャッキなどで滑らせるようにして巨大な船体を運搬。船体重量は37,000トンですが、移動に使用するレールや機材などの重量を含めると総重量は43,000トンだったそうです。凄いな。
中国のニュース記事によると、2隻の半潜水バージによるスキッド方式の進水で総重量43,000トンの進水作業は中国国内で前例がない難易度の高い作業だと報じています。
建造場所から半潜水式バージ甲板上への船体移動に25時間
建造場所から半潜水式バージの甲板上へ移動させる作業に要した時間は、25時間。
作業は5月8日午前8時に開始。潮位の変化に細心の注意を払い、喫水調整をおこないながら半潜水式バージ2隻に設置したレールと建造場所から続くレールを一体化。慎重な操作で37,000トンの船体を移動させ、翌日の午前9時に搭載を完了。
理由は分かりませんが、船体を進水させる作業は3日後の5月12日に実施。そして、無事に進水完了。
半潜水式バージ「振半潜1」、「泰瑞」
出典:龙de船人
SEP起重機船「Boreas」の進水作業で使用した半潜水式バージは「振半潜1」(ZHEN BAN QIAN 1)と「泰瑞」(TAI RUI)。同期させて進水作業するので同型船の方が施工しやすそうな気もしますが、「振半潜1」と「泰瑞」は長さで35m、幅で9mの差があります。
半潜水式バージ「振半潜1」(ZHEN BAN QIAN 1)
船名 | 振半潜1 |
総トン数 | 29,564トン |
載貨重量トン | 26,702トン |
長さ | 146.7m |
幅 | 70m |
深さ | 8.5m |
建造年 | 2011年3月 |
半潜水式バージ「泰瑞」(TAI RUI)
船名 | 泰瑞 |
総トン数 | 25,935トン |
載貨重量トン | 39,824トン |
長さ | 111m |
幅 | 79m |
深さ | 9m |
建造年 | 2013年11月 |
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