TWDが開発した杭打設時のパイルランリスクを軽減する革新的ツール

TWDが開発した杭打設時のパイルランリスクを軽減する革新的ツール 洋上風力発電
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TWDが開発した革新的ツール「パイルランパラシュート」

TWDが開発した杭打設時のパイルランリスクを軽減する革新的ツール
パイル ラン パラシュート
出典:TWD
TWDの掲載記事【2024年2月21日掲載】

Pile Run Parachute (PRP)

Meet one of TWD’s innovative designs, the Pile Run Parachute (PRP). It combines materials already commonly used in offshore applications, such as steel wires and geosynthetic materials, to create an inner damper. This reduces the maximum velocity as well as the depth at which the pile run terminates.

(パイルランパラシュート(PRP))

(TWD の革新的なデザインの 1 つであるパイル ラン パラシュート (PRP) をご紹介します。 鋼線やジオシンセティック材料など、オフショア用途ですでに一般的に使用されている材料を組み合わせてインナーダンパーを作成します。 これにより、最大速度が減少するだけでなく、杭打ちが終了する深さも減少します。)

https://twd.nl/articles/pile-run-parachute-prp/

2007年にオランダで創設されたTWD(Temporary Works Design)が開発した杭打設時のパイルランリスクを低減する革新的ツール「パイルランパラシュート」(PRP,Pile Run Parachute)。TWDのLinkedInを確認すると4ヶ月以上前の2023年10月には発表されていたようですが知りませんでした。

鋼線やジオシンセティック材料など、既にオフショア用途で一般的に使用されている材料を組み合わせてインナーダンパーと呼ばれるツールを製作。それを打設するモノパイル内部に取り付けて打設作業をおこなうという。

TWDの掲載記事では杭打設時にPRPを使用することによる特徴として以下の3点を挙げています。

「パイルランパラシュート」の3つの特徴
  • Damping(減衰):PRPを通過する海水の流れを制限することで、モノパイルが制御された速度まで減速し、安全性が確保されることで損傷のリスクが軽減
  • Flexibility(柔軟性):PRPは柔軟性があるため、ハンマー打撃時にエネルギーを損失することがない
  • Re-usable(再利用可能):PRPは杭から遠隔的に取り外すことができ、回収と再利用が可能

杭内部にPRPを取り付けていると、打設が進むにつれてPRPが海底面より下になった時にとんでもない抵抗になって打設が出来なくなるか、PRPが破損してしまうことを想像しましたが、あくまでも最終深度で海底面より上になる位置で取付をおこなうようです。そして、打設作業が終わった後に回収し、再利用することも可能。

ただ、パイルランが起きた時に落下速度がどの程度まで減少するのか、掲載記事では ”制御された速度まで減少” と書かれていますが、実際のところはよく分かりません。

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パイルランとは?

パイルランとは油圧ハンマーを使用した杭の打設中に起こる現象。

打設位置に鋼管杭を建て込んで海底地盤に下げていくと自重で表層に沈み込みます、これを自沈と言いますが、そのあと油圧ハンマーで打ち下げていく時に支持層より上に自沈するような柔らかい層がある場合、硬い層を油圧ハンマーによる打撃で打ち抜くと鋼管杭が柔らかい層を自沈して地盤の中を落下していく現象が起こる、これがパイルラン。鋼管杭が制御出来ない状態になるので非常に危険な現象といえる。

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パイルランによるリスクを低減する他の方法

パイルランによるリスクを低減する方法は他にも考えられているようです。

TWDとは別の企業が開発している製品。杭を打設する油圧ハンマーの吊具にショックアブソーバーを取り付けて、パイルランが起きても吊具破断による油圧ハンマーの落下を防ぐというもの。

👇下の動画では機材の紹介以外にも、実際に起きたパイルラン事故の映像を紹介しており、そちらの方が気になりました。

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