オランダの沖合に2015年に建設された「Luchterduinen Offshore Wind Farm」で失われたオイスターリーフを修復するため、oyster tableと呼ばれる牡蠣を接着したコンクリート製のブロックを設置する試みが行われている。オイスターリーフを修復し、洋上風力発電所付近の海域で生物多様性を高めることが狙いだそうです。
北海の洋上風力発電所で行われるオイスターリーフ修復への取り組み
三菱商事とEnecoが共同で出資を行い、2015年に完成した「Luchterduinen Offshore Wind Farm」。オランダのザンドヴォールト(Zandvoort)とノールトウェイク(Noordwijk)の沖合23kmの北海にVestasのV112-3.0MWが43基設置され、発電容量は129MW。風車基礎のモノパイル設置と風車タービン設置を行ったのはVan Oordが所有するSEP起重機船「Aeolus」。
4つの oyster table を設置
設置が行われた oyster table は4つ。重量は3,000㎏。主にコンクリート製で安定させるために底版を重たくしているそうです。底版に立てられた柱に生きた牡蠣を貼り付けて洋上風車周辺の海底に設置。1つの oyster table に貼り付けられている牡蠣は4列×4列=16本の柱の各4面に4個づつで256個。oyster table 4つに使用されている牡蠣は1,000以上。
こんなものでと言っては何ですが、oyster table の設置で豊かな海が戻ってくるならいいことなんでしょうね。何事もやってみないと結果は分かりませんし。トライすることが大事。牡蠣を選択した着眼点は間違っていないようです。
牡蠣による水質浄化
牡蠣による水質浄化作用を利用してアメリカなどでもオイスターガーデニングと呼ばれる水質浄化活動が行われているようです。
2枚貝は水中の懸濁態物質やプランクトンを取り込むため海水の浄化につながるそうです。特に牡蠣は他の2枚貝に比べて濾過量が多いという特徴を持っている。牡蠣にしてみれば生きるために餌を集めて食べているだけですが、1時間当たりに出し入れする水の量は30~40リットルとも言われています。
牡蠣の擬糞と呼ばれる粘液で固められた微粒子の固まりは、ゴカイなどの底生生物の餌となり、底生生物は魚類の餌となる。水質が浄化され、魚類の餌が生成されるということは生物多様性を高めることにつながりそうな気がしますね。oyster table は食用では無さそうな点が残念ですが。
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