マカオとタイパを結ぶ全長約3kmの橋の名称公募
2023年12月15日、マカオ特別行政区政府公共建設局は建設中のマカオとタイパを結ぶ「澳氹第四條跨海大橋」の建設スケジュールが最終段階に入り、主橋部分は来年第1四半期に開通、全体のプロジェクトについても第2四半期に完了する予定であることを明らかにしました。
さらに、「澳氹第四條跨海大橋」命名キャンペーンと題して橋の名称を一般公募することを発表。募集期間は2023年12月16日~2024年1月15日まで。応募資格は18歳以上でマカオ特別行政区の居住者に限られており、誰でも応募できる訳ではないようです。参加者が応募できるのは1回限りですが、1回で最大3つの名称を応募可能。専門家などで構成される選考委員会により応募があった名称から5つが最終候補として選ばれ、その中から政府が1つを選択するという。最終候補に選ばれた応募参加者には抽選で最大10,000MOP(マカオ・パタカ)、日本円に換算すると約18万円の賞金と記念品が授与されるそうです。
澳氹第四條跨海大橋 建設工事
マカオとタイパを結ぶ「澳氹第四條跨海大橋」の建設は2020年3月に着工。橋の全長は約3.1km、そのうち約2.9kmが海上部。橋は双方向8車線のうち中央2車線を2輪車専用道路として設計。当初は2024年1月に完成する予定でしたが、2023年12月15日の発表で主橋部分は来年第1四半期に完全に開通、全体のプロジェクトについては第2四半期に完了する予定であることが明らかにされています。
完成が遅れた理由について、新型コロナウィルスによる影響が大きいという説明ですが、マカオ特別行政区政府公共建設局のウェブサイトには2023年7月14日に桁架設中の事故が起きたことについて掲載されている。掲載情報によると、事故は橋面上に設置している桁架設用クレーンでの吊り上げ中に発生。海上航路を封鎖した上で、運搬船で運んできた中央径間の橋桁を吊り上げた際に不具合が起き、予定していた航路封鎖時間内に設置が完了できなかったという。負傷者などの有無は書かれていませんが、重大災害につながる可能性が高い桁架設中の事故なので、今後の施工についても安全性が懸念されます。
名称 | 選考中 (澳氹第四條跨海大橋) |
全長 | 3,085m |
幅 | 34.5m |
最大支間長 | 280m |
出典:Wikipedia | 由Wprot – 自己的作品,CC BY-SA 4.0,链接
空港に近い架設作業のため低頭式起重機船を建造
出典:澳門特別行政區政府公共建設局
橋の建設が進められている「澳氹第四條跨海大橋」の南側にはマカオ国際空港があり、橋の建設海域では航空制限によりジブの長い起重機船では架設作業が出来ないという制限がある。そのため、ジブの低い低頭式起重機船「铁建大桥起1」(tie jian da qiao qi 1)を建造。
低頭式起重機船「铁建大桥起1」は、2021年10月21日に完成。建造費用は約3億元(約53億5300万円、1元=17.84円)。
「澳氹第四條跨海大橋」での架設作業が完了したあとには、低頭式から一般的な固定式起重機船への改造が予定されており、元々そのような設計で建造されているそうです。
2,200トン吊り低頭式起重機船「铁建大桥起1」
船名 | 铁建大桥起1 |
クレーン能力 | 2,200トン |
長さ | 110m |
幅 | 41m |
深さ | 8m |
建造年 | 2021年10月 |
出典:China Association of the National Shipbuilding Industry
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