フィリピンのミンドロ島沖で転覆・沈没したタンカー「M/T Princess Empress」の調査などを行っている「新日丸」と搭載されているROV「はくよう」が沈没したタンカーから流出する油を止めるための特殊なキャッピングバッグ設置に成功。およそ水深400mの場所で行っている作業とは思えない程に繊細な操作。
フィリピン沖で作業する「新日丸」のROVが海底で油漏れの処理
UPDATE – MANILA, APRIL 05, 2023
RDC Reield Marine Services, owners of the sunken tanker Princess Empress, report that specialised oil leak capping bags have successfully been installed on areas of the wreck by an ROV operated by the Japanese salvage vessel Shin Nichi Maru.
(更新 – マニラ、2023 年 4 月 5 日
沈没したタンカー、プリンセス エンプレス号の所有者である RDC Reield Marine Services は、日本のサルベージ船、新日丸が運用する ROV によって、難破船のエリアに特殊なオイル リーク キャッピング バッグの設置に成功したと報告しています。)
https://www.princessempressinformationcentre.com/
沈没したタンカー「M/T Princess Empress」の所有者であるRDC Reield Marine Servicesは、水深約400mの海底に沈んでいるタンカーから油が流出している船体のリークポイントに特殊なキャッピングバッグを設置したと報告した。
リークポイントにバッグの設置を行ったのは、以前から調査などを行っている深田サルベージ建設㈱の多目的作業船「新日丸」。搭載されているROV「はくよう」を使用して水深約400mの海底に沈没したタンカー「M/T Princess Empress」の油が流出している位置に特殊なバッグを被せ、ケーブルタイで固定。
リークポイントにバッグを設置することは、船体周囲の水流と障害物によって非常に困難で高度な技術を要する操作が必要だったそうです。そんな複雑な作業にもかかわらず、4月4日午後までに「新日丸」の乗組員は8個のバッグ設置に成功。
バッグ設置後、その他のリークポイントを特定するため、さらに潜水調査が行われましたが、特定されたリークポイントは貨物ネットやホース、ロープなどの障害物によりバッグを設置することが出来なかったという。
高度な技術を要する操作が必要
ROV「はくよう」で撮影したと思われる画像では、タンカーの船上に設置されているタンクのエア抜きと見られる設備にキャッピングバッグを被せ、細いケーブルタイで固定する様子が写っています。
水深約400mの海底ですが透明度が高く細部まではっきりと認識が出来るというのは作業を行う上で好条件と言えますが、ROV「はくよう」に搭載されたマニュピレータと呼ばれるロボットハンドを使用して作業を行っていることを考えると相当な技術というか熟練度が無いと難しい操作と言える。
出典:MT Princess Empress Incident Information Centre
「新日丸」帰港中?
タンカーが沈没した海域で作業を行っていた「新日丸」ですが、4月5日にミンドロ島のカラパンを出港し、日本の鹿児島県志布志に向かっている模様。どういう状況で日本に帰港しているのかは分かりませんが、「新日丸」とROV「はくよう」による作業はひと段落して、出来る事はやったという感じなのかも。今後、沈没したタンカーに残存する油の撤去方法については、検討が行われていると思われる。
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