オーストラリアでクレーン船「Aegir」がライザータレット撤去

西オーストラリア州のノースウェストケープから北へ約38km沖合でFPSO「Nganhurra」が使用していたライザータレット(RTM,Riser Turret Mooring)の撤去作業がおこなわれました。撤去作業をおこなったのは、Heerema Marine Contractorsのクレーン船「Aegir」。
撤去したライザータレットは、全長83m、重量2,500トン。その形状は、長崎の五島洋上風力で使用されているスパー型の浮体に似ており、浮いた状態で複数のチェーンによってカテナリー係留され使用されていました。撤去後は、運搬台船に積まれてAustralian Marine Complex (AMC)へ運ばれ、解体・リサイクルされるという。
ライザータレットを使用していたFPSO「Nganhurra」は、2018年11月に生産を停止。廃止措置に向けた作業がおこなわれ、翌月12月にタレットの係留が解除されてマレーシアへ向けて曳航されています。
FPSOとは、Floating Production, Storage and Offloading system(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)の略。海洋油田・ガス田のある洋上で石油・ガスを生産するための浮体式設備。生産した原油を船体内の貯油タンクに貯蔵し、輸送タンカーへ積出する。
クレーン船「Aegir」による撤去作業の様子




出典:YouTube | Woodside Energy
YouTube動画リンク先 Woodside Energy | Nganhurra Riser Turret Mooring Safe Removal
色々調べている時に気付きましたが、クレーン船「Aegir」の吊り上げ能力が4,000トンから5,000トンにアップグレードされているようです。アップグレードは2021年4月に完了。

- メインホイストの能力を4,000トン→5,000トンへ
- 2番ホイスト(2,000トン吊り)をジブの高い位置へ設置
- 補助ホイストを750トン→1,000へ
- デッキスペース拡張
- バブルカーテン施工最適化のため冷水配管システム変更
5,000トン吊りクレーン船「Aegir」の概要
船名 | Aegir |
クレーン能力 | 5,000トン |
長さ | 211m |
幅 | 46m |
DPS | DP3 |
建造年 | 2012年 |

出典:Heerema
FPSO「Nganhurra」の概要
船名 | Nganhurra |
総トン数 | 88,584トン |
載貨重量トン | 142,000トン |
長さ | 259m |
幅 | 46m |
建造年 | 2006年 |

出典:PESA Energy Geoscience
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