関西電力がノルウェーの浮体式洋上風力発電実証事業に参画

関西電力がノルウェーの浮体式洋上風力発電実証事業に参画 洋上風力発電
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関西電力がノルウェーの浮体式洋上風力発電実証事業に参画

2023年12月7日、日本の大阪市北区に本店を置く関西電力株式会社(KEPCO,The Kansai Electric Power Company)は、ノルウェーで開発中のゴリアテヴィンド(GoliatVIND)浮体式洋上風力発電実証事業に参画し、事業会社を通じてノルウェー石油エネルギー省に環境影響評価計画書を提出したことを明らかにしました。

ゴリアテヴィンド浮体式洋上風力発電実証事業は、ノルウェー北部のバレンツ海でVår Energi(65%)およびEquinor(35%)が所有する海洋油田Goliatから5~11km離れた位置で、再生可能エネルギー事業をおこなうSource Galileoと浮体基礎の設計・建設・運営に関するソリューションサービス事業をおこなうOdfjell Oceanwindによって開発が進められている。

15MWの風力タービンを搭載した浮体式洋上風車5基を設置する計画で、総発電容量は75MW。2027年中の営業運転開始を目指すという。

関西電力の役割として、インターフェースや高電圧システムに関する専門知識と技術力、調達や財務計画の経験を積極的に活用して貢献することが期待されている。Source Galileoの掲載記事では、関西電力から技術者3名と商業専門家1名がSource Galileo Norway本社に入社する予定と書かれているので、派遣される方は出向ではなく関西電力を一度退社するような形態になるのでしょうか。

Source Galileoの発表では、設置場所の条件としてOdfjell Oceanwindが開発している浮体式風力基礎「Deepsea Star」の設計に適していると述べています。Odfjell Oceanwindは2023年2月に15MW以上の風力タービンに対応した浮体式洋上風力基礎「Deepsea Star」を発表し、2025年以降の利用開始を目指してるので時期的にも間に合いそう。

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浮体式洋上風力が大規模なノルウェーの輸出産業となる可能性

2023年12月7日、日本のエネルギー大手企業である関西電力がGoliatVINDに参画したことを発表するSource Galileoの掲載記事の中で、ノルウェー企業であるOdfjell OceanwindのCEOが述べたコメントとして以下のように記載されていました。

Source Galileoの掲載記事【2023年12月7日掲載】

【抜粋】

Today, we are most familiar with bottom-fixed offshore wind from the UK and Germany in particular, but estimates show that only 20 percent of the world’s exploitable offshore wind resources are suitable for this technology. This means that 80 percent is at a depth that requires floating offshore wind.

(今日、私たちは特に英国とドイツの着床式洋上風力発電を最もよく知っていますが、推定によると、世界の利用可能な洋上風力発電資源のうち、この技術に適しているのはわずか 20% だけです。 これは、80%が浮体式洋上風力発電を必要とする深さにあることを意味します。)

https://sourcegalileo.com/news/japanese-energy-giant-kansai-joins-floating-offshore-wind-project-norway

現在、世界的に普及が拡大している着床式洋上風力に比べて利用可能な海域が広いという浮体式洋上風力の潜在的資源にふれた上で、強い風が吹き長い海岸線を有するノルウェーとノルウェー産業は海事に関する専門知識を備えており、世界的な技術リーダーになるための理想的な立場にあると述べている。さらに、ゴリアテヴィンド(GoliatVIND)浮体式洋上風力発電実証事業を重要な事業と位置付け、ノルウェーに大規模な輸出産業の基礎を形成する可能性があるという。

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浮体式洋上風力発電事業に積極的なKEPCO

2023年8月1日に関西電力株式会社(KEPCO)は、スペイン沖のDemoSATHプロジェクト参画を発表しています。関西電力が浮体式洋上風力の実証プロジェクトに参画するのは、DemoSATHプロジェクトが初めてでした。今回、ノルウェーでのゴリアテヴィンド浮体式洋上風力発電実証事業 参画について、プレスリリースで以下のように述べており今後は日本国内でも浮体式洋上風力発電事業に積極的に取り組むという姿勢が伺えます。

関西電力のプレスリリース【2023年12月7日掲載】

【抜粋】

当社は、本事業を通じて得られた知見等を国内の浮体式洋上風力発電事業に活用するとともに、引き続き、国内外における再生可能エネルギーの普及・拡大に取り組み、ゼロカーボン社会の実現に貢献してまいります。

https://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2023/pdf/20231207_1j.pdf
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ゴリアテヴィンド(GoliatVIND)浮体式洋上風力発電実証事業の概要

「ゴリアテヴィンド(GoliatVIND)浮体式洋上風力発電実証事業」の概要
  • 設置位置:ノルウェー ハンメルフェストから北西へ約95kmのバレンツ海(海洋油田Goliatから5~11km)、最大水深300~400m
  • 発電容量:15MW×5基=75MW
  • 風車基礎:浮体式、Deepsea Star(セミサブ型)
  • 送電網:Goliat FPSOを介して既設送電ケーブルを使用
  • 運転開始:2027年(予定)

ゴリアテヴィンド(GoliatVIND)浮体式洋上風力発電実証事業は、ノルウェー北部のハンメルフェストから北西へ約95kmのバレンツ海、水深300~400mの海域に設置が計画されている。設置場所から5~11km離れた位置には海洋油田Goliatがあり、発電した電力はGoliat FPSOを介して既設の送電ケーブルを利用し、陸上へ供給される予定。

Goliat FPSO
出典:Wikipedia | By T3n60 – File:Oil Rig.JPG, CC BY-SA 4.0, Link

「Goliat FPSO」は珍しい円筒型の形状をしており、その直径は107m、フレアタワーを含めた高さは170m、重量は64,000トン。最近、中国で本体部分が完成したFPSO「海洋石油122」は直径約90m、重量は約36,000トンだったので「Goliat FPSO」の方が大きいようです。

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