高さ137mのゴライアスクレーンを組み立てた状態で運搬

2025年5月6日、上海振華重工(ZPMC)傘下の南通振華重型装備制造有限公司(Nantong Zhenhua Heavy Equipment Manufacturing)が請け負っている洲鉅風電能源(Intercontinental Wind Energy)向けゴライアスクレーンを輸送船に積み込む作業がおこなわれました。
台湾洲鉅1,500トンゴライアスクレーンプロジェクトでは、スパン103m、高さ137m、定格荷重1,500トンのゴライアスクレーンを福建省福州市の岸壁で組み立てた後、半潜水式運搬船「祥泰口」(XIANG TAI KOU)に積み込み、台湾の高雄港へ輸送する。輸送時の高さが137mというのは、中国の同種プロジェクトでも最も高いという。
ゴライアスクレーンの輸送に使用されている「祥泰口」は2023年12月に竣工した半潜水式重量物運搬船。全長231.1m、幅46m、深さ14.5m、最大甲板深度は13m。燃料やバラストなど船体自重以外のすべてを含んだ積載重量を表わす載貨重量トン数(DWT,Deadweight tonnage)は、66,070トン。自航式で航続距離は20,000海里、DP2の自動船位保持装置を搭載。
半潜水式運搬船「祥泰口」のAISを確認すると、5月11日時点では積込場所の福建省福州市の岸壁に停泊していました。全ての部材積み込みと輸送に向けた準備には1週間ほどかかるということなので、準備が完了すると台湾の高雄港へ輸送が開始されるものと思われます。高雄港での設置完了後は、洋上風力向けのジャケット基礎生産に使用されるそうです。
ガーダー中央部に輸送用タワーを配置

1,500トン吊りのゴライアスクレーンを組み立てた状態で輸送するため、ガーダー中央部には輸送用タワーが配置されています。半潜水式運搬船「祥泰口」への積み込み作業では、アクセルライン296軸のSPMT(自走式多軸台車)を使用。
総投資額1,400億円、高雄港洋上風力水中基礎組立基地

出典:洲鉅風電能源股份有限公司
洲鉅風電能源(Intercontinental Wind Energy)の掲載記事によると、1,500トン吊りゴライアスクレーンは台湾の高雄港で建設が進められている洋上風力水中基礎組立基地に配備される予定。
総投資額は70億元、日本円に換算すると1,400億円(1元=20円として換算)。長さ200mの生産建屋を含む、長さ400mの水中基礎および杭部品の統合生産施設に加えて、水深10mと13.5mの出荷岸壁を建設中。ジャケットなどの水中基礎を組み立てて保管する場所にゴライアスクレーンを導入。2025年に生産開始が予定されている。
洲鉅風電能源が紹介しているYouTube動画で1,500トン吊りゴライアスクレーンの揚程は108mと説明されています。日本円で1,400億円という巨額が投資されているビッグプロジェクトのようですが、世界有数の港である高雄港で限られたスペースを最大限に利用することを考えるとゴライアスクレーンの導入は効率的な方法の1つと言える。
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