大分ホーバークラフト3番船「Tanso」で接触事故
2025年2月8日午前11時40分ごろ、大分ホーバークラフト3番船「Tanso」が大分市の西大分ターミナルで上陸訓練中に衝突防止のため設置されていたクッション材に接触する事故が発生。事故により、船の左前方部分が長さおよそ30cmにわたって2cmほどへこみ、船体が損傷したという。
報じられている情報によると、運航会社の大分第一ホーバードライブは「船尾が突風にあおられたことが事故の要因」と説明しており、再発防止に向けては訓練中であっても入港の際は誘導員による安全確認を実施するとしている。
事故を受けて2月8日に予定されていた別府湾周遊コースの2便(14時発、15時30分発)と2月9日、11日の周遊航路はいずれも欠航。船体の損傷についてはすぐに修理が可能ということで、国交省の臨時検査を経て2月12日以降には「Tanso」での訓練と別府湾周遊運航を再開する見通しだという。
しかし、2025年2月中に就航したいと考えていた空港アクセスの定期航路については、さらなるスケジュール遅延といった影響が出る可能性がある。
再発防止策として入港時は誘導員による安全確認を実施
今回の接触事故を受けた再発防止策として示されたホーバークラフト入港時の誘導員による安全確認実施が事故の予防に果たして効果があるのでしょうか。
接触事故の原因は、風の影響を受けやすいホーバークラフトが突風により制御できない状態に陥ったことであるとすると、誘導員による安全確認を実施したところで事故を防ぐことは難しいように思える。それどころか、配置位置によっては誘導員が事故に巻き込まれる恐れすらある。
先日公表された1番船「Baien」の衝突事故に関する船舶事故報告書では、ホーバークラフトを上陸させるために斜路を上る時、約12~15ノット(時速22.2~27.8km)程度の速力を保持しなければ航行できないと記載されていました。
風の影響を受けやすい上に、斜路での上陸時は一定速力を保持しなければならず、周囲の離隔を確認しながらゆっくり航行することができない。今後もずっと悩まされそうな問題点。
突風を予測するのは難しいので、運航中止基準の風速を下げて運航するしか根本的な対策は無さそうな気がします。
操縦訓練中の事故としては6度目
今回の接触事故は大分ホーバークラフトで訓練中に起きた事故として6度目にあたると報じられています。これまでに大分ホーバークラフトで起きた事故は4件だと思っていたので5度目では?と思いましたが、調べてみると船体や施設に損傷は無かったものの2024年3月2日に大分空港の発着場で接触事故を起こしていたようです。
- 2023年
11月8日1番船「Baien」大分空港でガードレールに接触 - 2024年
3月21日2番船「Banri」大分空港でフェンスに接触 - 4月25日2番船「Banri」大分空港でフェンスに接触
- 7月5日2番船「Banri」西大分発着場でスロープ側面に衝突
【動画】西大分の発着場に上陸するホーバークラフト「Tanso」
事故が起きた時の映像ではありませんが、西大分の発着場に上陸するホーバークラフト「Tanso」の映像。
撮影時の風速がどの程度なのかは分かりませんが、沖には白波が見えるので強い風が吹いているようです。不安定な船体を必死に安定させているように見える。それと、船体サイズに比べて上陸する斜路の幅が小さすぎるように感じる。このような状況の中、ホーバークラフトを操船する方のストレスは計り知れない。
特に意味はないけどいつかの風が強い時のホーバー Tanso置いとくね pic.twitter.com/aJ4zybNvPb
— すばる⛄🤍 (@subaru_0807) February 8, 2025
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