2022年10月13日、シンガポールのSembcorp MarineでMaersk Supply Serviceが発注したSEP起重機船の鉄鋼切断式(First steel cutting)が行われました。建造されるSEP起重機船は、アメリカのジョーンズ法に対する風車機材の輸送問題に対応するため少し変わった仕様になっています。
MaerskのSEP船で鉄鋼切断式
Maersk Supply Serviceが建造するアメリカでの洋上風車設置を目的としたSEP起重機船の鉄鋼切断式(First steel cutting)が行われました。建造を行うのは、シンガポールのSembCorp Marine。世界最大のクレーン船「Sleipnir」が建造された造船所。完成予定は2025年初頭。
モノパイルとタービン設置の動画
タービン設置のイメージ動画は半年ほど前から上げられていましたが、モノパイル設置のイメージ動画は最近YouTubeに上げられました。タービン設置時に輸送台船を受入れる船体の切り込みを利用して浮かべた状態で運搬されたモノパイルを荷受けしてそのまま建て込むというスタイル。Van Oordの「Svanen」で行われている打設方法に似ています。
完成後の予定
これから建造が始まるSEP起重機船は2025年に完成後、アメリカの「Empire Wind 1 & 2」、「Beacon Wind」で使用される予定。
「Empire Wind 1 & 2」で設置される予定の風車は138基の Vestas V236-15.0 MW 。つい最近プロトタイプの設置が始められたばかりなので暫定ですが。
V236-15.0 MW だとハブ高さが130m以上になるので揚程150m程度は必要になりますが、建造されるSEP起重機船の揚程はデッキから180mというとんでもない仕様。クレーン吊り上げ能力は不明ですが、打設可能なモノパイルの長さが ”水深+60m” らしいので100m以上のモノパイル打設が可能だとすると1,500トン以上はあるかもしれません。
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