沖縄県の沖合で漁船が大型船と衝突、船首破損で浸水により航行不能
2024年2月12日午前1時10分頃、沖縄県国頭村辺戸岬の沖合で漁船「第3登喜丸」が大型船と衝突する事故が発生。
報道されている情報によると、衝突により漁船の船首が大破し、航行不能に陥ったという。事故当時、漁船には船長1人だけが乗船しており、幸い無事。漁船と衝突した大型船は特定されていませんが、事故が起きた時間帯に付近を航行していたコンテナ船「BANGKOK BRIDGE」が事故に関係している可能性があるとして、第十一管区海上保安本部が事故調査の協力を要請しているという。
コンテナ船「BANGKOK BRIDGE」のAIS情報を確認すると、シンガポールへ向かって航行していました。事故調査の要請に応じる気があるのかどうかは明らかにされていません。シンガポールに到着後、事故調査に応じるつもりなのかもしれません。
コンテナ船「BANGKOK BRIDGE」が漁船との衝突に関係しているかどうかは、今後の事故調査によって明らかになってくると思いますが、AISには事故発生場所の付近で針路を変針したと思われる航跡が確認できます。事故が起きたとされる場所は、報道情報だと沖縄県国頭村辺戸岬から約70kmということでしたが、AISの航跡に残る変針位置は約120kmでした。
コンテナ船「BANGKOK BRIDGE」は日本企業の船
コンテナ船「BANGKOK BRIDGE」は、日本の船級協会である日本海事協会(ClassNK)で船級登録されています。登録されているRegister of Shipの情報を照会すると、運航会社は愛媛県今治市に本社を置く福神汽船株式会社(FUKUJIN KISEN CO., LTD.)。なので、普通に考えると事故調査の要請に応じてくれそうな気がしますね。
コンテナ船「BANGKOK BRIDGE」
船名 | BANGKOK BRIDGE |
総トン数 | 44,234トン |
載貨重量トン | 52,118トン |
コンテナ容量 | 4,432TEU |
長さ | 266m |
幅 | 35m |
船籍 | パナマ |
建造年 | 2010年 |
衝突時、漁船の船長は漂泊させて仮眠を取っていた
衝突事故が起きた時、漁船「第3登喜丸」の船長は漁を終えて船を漂泊させた状態で仮眠を取っていたという。”漂泊” ということなので、風や潮の流れに任せて漂っている状態。衝突した場所は、日本の排他的経済水域(EEZ)内ですが漂泊すること自体は悪い事では無いと思う。
ただ、事故が起きたのは深夜で暗闇だったことを考えると、適正な灯火を付けていたところで巨大なコンテナ船からすると豆粒みたいな漁船に果たして気付くことが出来るでしょうか。広い大海原でコンテナ船と漁船が衝突する確率はかなり低いと思いますが、ゼロではない。今回のようなケースでは、どちらの過失割合が高くなるのかよく分からないので、最終的にどのような顛末になるのか気になる。
領海、接続水域、排他的経済水域(EEZ)、公海の範囲
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