浮体式垂直軸風車を日本導入へ、SeaTwirlと住友P&Mが覚書

浮体式垂直軸風車を日本導入へ、SeaTwirlと住友P&Mが覚書 洋上風力発電
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浮体式垂直軸風車を日本導入へ、SeaTwirlと住友P&Mが覚書締結

2024年3月28日、浮体式垂直軸型風力タービンの開発をおこなうスウェーデンのSeaTwirlは、日本国内での導入に向けて住友商事の完全子会社にあたる住友商事パワー&モビリティと覚書(Memorandum of Understanding)を締結したと発表。

SeaTwirlは日本市場への浮体式垂直軸型風力タービン導入について、綿密なプロセスを経て戦略的ビジネスパートナーの選定に取り組んできたという。覚書に基づき、住友商事パワー&モビリティは主に潜在顧客の発掘、マーケティング、交渉、契約といった内容を担当することが期待され、製品の提供は当然ながらSeaTwirlがおこなう。

覚書締結を発表した掲載記事の中で、SeaTwirlのグローバル・ビジネス開発責任者Peter Laurits氏は「住友商事パワー&モビリティのおかげで、私たちは日本市場で継続的にビジネスを発展させるための完璧なパートナーを得ることができました。日本国内での深い存在感、確かな歴史、多角的な事業運営、そして深い産業知識によりユニークで魅力的なものを市場に提供できると確信しています。SeaTwirlは10年以上のビジネス経験を経て、浮体式垂直軸型風力タービンに関して豊富な経験を持っており、日本市場が動き始めていることを嬉しく思います。」と述べています。

遠浅な海域が少ない日本に適した浮体式洋上風力

SeaTwirlは掲載記事で、遠浅な海域が少ない日本では洋上風力の中でも浮体式洋上風力タービンにとって好条件であり、堅牢かつ柔軟な設計と高い保守性を持つSeaTwirlの浮体式垂直軸型風力タービンは日本の海洋条件によく適していると述べている。

さらに、日本には4,000以上の島があり、Global Wind Energy Council(GWEC:世界風力エネルギー評議会)の試算によると着床式で128GW、浮体式で424GWのポテンシャルがあるという数値を引用し、日本の洋上風力が世界的に見てもユニークな存在であることを強調しています。

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日本の洋上風力発電ポテンシャル試算数値について

SeaTwirlの掲載記事で引用されているGWECの日本における洋上風力ポテンシャル試算結果の着床式128GW、浮体式424GWという数値をGWECのサイト上で見つけることは出来ませんでした。GWECのウェブサイトで確認できる日本の洋上風力ポテンシャルに関するレポートの数値は以下の通り。

基礎構造ポテンシャル容量
着床式122GW
浮体式1,775GW
合計1,897GW
Offshore Wind Technical Potential in Japan(2021年6月公開)
(試算条件 着床式:水深50m以下、浮体式:水深1,000m以下)
出典:Global Wind Energy Council

着床式のポテンシャル容量は128GWに対して122GWなので近い数値ですが、浮体式の方は424GWに対して1,775GWという4倍以上の数値になっており大きな開きがあります。

SeaTwirlの掲載記事で引用されているGWECの数値がどのような条件で算出されているのか不明。同じ機関が算出した数値なのに大きく違いが出ているのは試算条件が異なることが予想される。なので、他をいろいろ調べてみると着床式128GW、浮体式424GWという数値を経産省が公表している資料で発見。👇下の2020年7月17日に開催された、第1回 洋上風力の産業競争力強化に向けた官民協議会の資料4-1 日本風力発電協会資料。

2020年7月の官民協議会向けに作成された日本風力発電協会(JWPA)の資料に着床式約128GW、浮体式約424GWという数値が示されていました。2023年4月に公表されているNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)のレポートでも同じ数値が引用されています。

JWPAの数値に関しては条件が示されているので、GWECのウェブサイトで確認できる数値との試算条件を比較すると以下の通り。

機関名称GWECJWPA
着床式
(ポテンシャル容量)
50m以下
122GW
10~50m
(128GW)
浮体式
(ポテンシャル容量)
1,000m以下
1,775GW)
100~300m
(424GW)
試算条件の水深

ポテンシャル容量の数値が大きく異なっていたのは、試算条件の水深が異なることが原因だったようです。着床式の水深はほぼ同じですが、浮体式の水深はJWPAが100~300mなのに対してGWECは1,000m以下になっています。

さすがに1,000m以下という条件は、設置や送電の効率を考えると無理がありそう。

洋上風力に関する設置可能なポテンシャルを試算した数値は目安になる数値ではありますが、重要なものではないような気がします。試算するにあたり前提条件となる設置水深や設置する風力タービンの出力によって結果は大きく異なるということが理解できました。

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