大分ホーバークラフト事故、訓練中の接触で事故ではないという認識
2024年4月25日に大分空港の進入路で起きた大分ホーバークラフト2番船「Banri」の事故について、気になるニュース記事が掲載されていました。
記事の中で運航をおこなう大分第一ホーバードライブの小田典史社長が取材に応じ、操縦訓練中に2番船「Banri」が大分空港のフェンスに接触したことについて見解を説明。
(大分第一ホーバードライブ 小田典史社長のコメント部分のみを抜粋)
「1度目は我々も事故という認識はあるが、2度目、3度目はあくまで訓練中の接触という認識ですので」
「ことし秋の就航予定に変わりはない」
「今一番最初の訓練をやっているという状況ですので、決して運航が安全じゃないとは言えないと思っている」
https://tosonline.jp/news/20240426/00000008.html
掲載されている記事によると運航会社である大分第一ホーバードライブの見解は、1件目の2023年11月8日に1番船「Baien」で起きた最初の事故以外は操縦訓練中の接触であり事故ではないというもの。
2件目と3件目の「Banri」で起きた接触については事故後も自航できる状態でしたが、1件目の事故では船体損傷により自航不能となった上、長期間に及ぶ修理作業が必要となっており、船体損傷の程度を考えると1件目の「Baien」で起きた事故の方が断然大きいことは間違いない。しかし、全ての事故はホーバークラフト単独による自損事故ですが、ガードレールやフェンスなど施設への損傷も発生しているため、事故ではないという認識には少し違和感を感じます。
”決して運航が安全じゃないとは言えないと思っている” というのは文脈からすると逆の意味になっているので ”決して運航が安全じゃないとは言えないと思っている” と述べているのだと思われる。このコメントからは初期の操縦訓練中であるため、多少の接触は想定内という認識と受け取れます。掲載記事の中ではさらに、同じ場所で事故が相次いでいることについて、発着場の構造上の問題ではなく操縦士の習熟度が原因だという認識であることが書かれていました。
2、3件目の接触については軽微な損傷で済んでいますが、今後も操縦士の習熟度向上に期待するだけで事故を未然に防ぐことはできるのでしょうか?操縦士の習熟度を接触事故の要因と考えるのであれば、他の見方をすると高い習熟度が要求されるホーバークラフトの操縦性能にも問題があるのかもしれないとも受け取れる。
ニュース記事自体が要点をかいつまんで掲載しているのかもしれませんが、操縦士の習熟度という原因以外にも事態を改善する上で対策を講じる部分が無いのか、もっと問題の洗い出しが必要な気がします。
これまで大分ホーバークラフトで起きた事故について、運航会社の認識と報道されているニュースだけを見ている世間一般の認識に差があるんじゃないかと考えさせられるニュース記事でした。
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