大型クルーズ船「ユートピア・オブ・ザ・シーズ」進水
2023年9月、フランスのサン=ナゼールにあるアトランティーク造船所で建造している Royal Caribbean International の大型クルーズ船「Utopia of the Seas」が進水。今後は、乾ドックからウェットドックへと場所を移動して引き続き建造が進められ、2024年7月に予定されているフロリダ州ポート カナベラルでのデビューを目指すという。
完成すると現行世界最大のクルーズ船を超える大きさ、しかし世界最大ではない?
現行世界最大のクルーズ船は、2022年3月に就航した「Wonder of the Seas」ですが、「Utopia of the Seas」はそれを上回る大きさになる予定。しかし、現在フィンランドの造船所 Meyer Turku で建造している「Icon of the Seas」の方が大きく、就航予定も2024年1月となっており先に完成するため「Utopia of the Seas」が世界最大になることはない。
船名 | Utopia of the Seas | Wonder of the Seas | Icon of the Seas |
総トン数 | 236,860トン | 236,857トン | 250,800トン |
長さ | 362m | 362m | 365m |
幅 | 64m | 64m | 64.9m |
乗客定員 | 5,668人 | 5,734人 7,084人(最大) | 5,610人 7,600人(最大) |
乗組員数 | 2,290人 | 2,204人 | 2,350人 |
巨大なクルーズ船の進水作業に15時間
「Utopia of the Seas」は、2022年4月に First Steele Cutting Ceremony(鉄鋼切断式)がおこなわれ建造を開始、同時にその場で船名「Utopia of the Seas」も明らかにされました。そして、2022年7月にKeel-laying Ceremony(起工式)がおこなわれ、建造開始から約17カ月で進水。
Royal Caribbean International が発表した進水時のプレスリリースによると、乾ドックで建造されていた「Utopia of the Seas」を進水させるためドックに注水した水の量は4,600万ガロン、約17万4,000m3。25mプール(約600m3)に換算すると約290杯分に相当する大量の水がドックに注ぎ込まれ、進水作業には15時間を要したという。
環境負荷が少ないLNG燃料クルーズ船
出典:Royal Caribbean International
「Utopia of the Seas」は、オアシス級のクルーズ船としては初となるLNG(液化天然ガス)燃料船。すでに建造を開始している「Icon of the Seas」もLNG燃料船なので、Royal Caribbean International としては2隻目となる。
廃熱回収システムから陸上電力接続に至るまで、すでに確立している環境に配慮した取り組みや機能とLNG燃料技術を組み合わせることで、Royal Caribbean International の数十年にわたる環境への取り組みを推進するとしている。
完成すると世界最大のクルーズ船「Icon of the Seas」
出典:Royal Caribbean International
フィンランドの造船所 Meyer Turku で建造が進められている「Icon of the Seas」は、2024年1月にマイアミでデビューする予定。完成すると世界最大のクルーズ船となる。
2023年6月には4日間にわたる海上公試を無事に終え、年内中に2回目の海上公試が予定されている。
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