CadelerがVestasと中国企業から取得したSEP起重機船の長期契約締結
Cadeler takes delivery of Wind Keeper and locks down first three years of utilisation with the signing of a long-term firm contract
(CadelerはWind Keeperの引渡しを受け、長期確定契約を締結し、最初の3年間の稼働を確保)
出典:https://www.cadeler.com/news/cadeler-takes-delivery-of-wind-keeper-and-locks-down-first-three-years-of-utilisation-with-the-signing-of-a-long-term-firm-contract
2025年7月18日、Cadelerは上海博強重工集団(Shanghai Boqiang Heavy Industry Group)から購入した2,200トン吊りSEP起重機船「Wind Keeper」の引き渡しを受けて、Vestasと3年間の長期契約を締結したと発表しました。
契約開始は2026年第1四半期からの予定で、3年間の契約に加えて2年半の追加オプションが含まれている。契約金額は2億1,000万ユーロ(日本円で約360億円)、追加オプションがすべて行使された場合は3億8,000万ユーロ(約650億円)を超えるという。
中国のCIMC Rafflesで建造された「博强3060」(BO QIANG 3060)は、2023年12月に上海博強重工集団へ引き渡しがおこなわれ、2025年5月にCadelerによる買収発表。船名を「Wind Keeper」に変更し、2025年第3四半期にCadelerへの引き渡しが予定されていました。
「Wind Keeper」はCadelerが保有するSEP起重機船として8隻目にあたる。さらに、Cadelerは4隻のSEP起重機船を現在建造しており、保有船の拡充を継続している。
SEP起重機船「Wind Keeper」は7月初旬に中国を出港

出典:Cadeler
SEP起重機船「Wind Keeper」(現在はまだ「BO QIANG 3060」の表示)のAIS情報によると、2025年7月5日に中国の山東省 煙台市を出港。Cadelerの発表ではヨーロッパへ向けて航行していることが明らかにされており、Vestasとの契約開始に先立ち、運用能力の向上とCadelerが保有するSEP起重機船と船上機能の整合を図るため、アップグレードを実施する予定。
実施予定のアップグレードでは、Vestas製の風力タービン「V236-15.0MW」3基を輸送するための甲板設備が備え付けられ、15MW風力タービン設置に対応した仕様になるという。
Cadelerのウェブサイトに掲載されているSEP起重機船「Wind Keeper」の画像を見ると、「博强3060」竣工時には青色だった船体がCadelerのコーポレートカラーに塗り直されているようにも見えます。甲板上に積まれているレグの延長部材4つは、現況120mのレグ長さを最大136mに延長するための部材だと思われます。
2,200トン吊りSEP起重機船「博强3060」竣工時の概要
船名 | 博强3060 |
クレーン能力 | 2,200トン |
長さ | 133m |
幅 | 53m |
深さ | 11m |
レグ長さ | 120m (最大136m) |
最大作業水深 | 70m |
甲板スペース | 4,800m2 |
DPS | DP2 |
速力 | 8.4ノット |

出典:龙de船人
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