重量15,300トン、「Heather Alpha」トップサイド撤去

重量15,300トン、「Heather Alpha」トップサイド撤去 石油プラットフォーム
スポンサーリンク

重量15,300トン、「Heather Alpha」トップサイド撤去

「Heather Alpha」トップサイドを撤去する「Pioneering Spirit」
出典:EnQuest

2025年8月14日、Allseasは北海のHeather油田に設置されている「Heather Alpha」のトップサイド撤去が完了したことを発表しました。

「Heather Alpha」トップサイドの重量は、15,300トン

「Heather Alpha」は、スコットランドのアバディーン(Aberdeen)から北東へ460km沖合の北海に位置しており、海域の水深は143m。1977年に設置がおこなわれ、1978年から生産を開始、2019年に廃止措置が決定。

撤去作業はAllseasの「Pioneering Spirit」によって実施され、作業は8月11日に完了。Allseasの掲載情報によると、今回のトップサイド撤去完了はHeather油田のオペレーターであるEnQuestおよび専門業者との緊密な協力のもと、3年間にわたる詳細なエンジニアリング、綿密な計画、そして沖合での準備作業の集大成であると説明されています。

トップサイド撤去に向けた準備は2024年に始まり、特注のリフトポイント設置、構造補強などがおこなわれ、そのほとんどはプラットフォームに人が乗ったまま実施されました。 2025年初頭には、レグ切断と分離に関連するジャケット部分の調査を完了。

トップサイド撤去には、「Pioneering Spirit」に搭載されている容量48,000トンのトップサイドリフトを使用。船体を作業位置に合わせてトップサイドリフトにより揚重を開始すると、構造物全体を数秒で撤去することが可能だという。さらに、船体独自の動揺補正システムを用いて吊り上げることで安全性を高めた。この方法により、洋上での露出を最小限に抑え、工数を削減し、安全性を高めるとともに、プロジェクトコストの大幅な削減を実現。

AllseasのプロジェクトマネージャーであるKrijn van Eeten氏は、「このプロジェクトは、当社のシングルリフト技術が目指す、老朽化した大型構造物を安全、迅速、かつ効率的に撤去するという、まさに教科書的な事例です」と、述べています。

撤去したトップサイドは、Allseasが所有する輸送台船「Iron Lady」に積み替えられた後、デンマークのフレゼリクスハウンにあるModern American Recycling Services(M.A.R.S.)の処分場へ曳航。そこでトップサイドは解体され、95%以上がリサイクル・再利用されるそうです。

「Pioneering Spirit」

出典:Allseas
船名Pioneering Spirit
総トン数403,342トン
長さ382m
124m
スロット長さ:122m
幅:59m
速力14ノット
宿泊設備571人
トップサイドリフト容量48,000トン
ジャケットリフト容量20,000トン
搭載クレーン5,000トン
船籍マルタ
建造年2014年

【動画】「Pioneering Spirit」によるトップサイド撤去

スポンサーリンク
興味深い海の世界

あらゆるものが巨大な海の世界。
なかでもインパクトの強い画像を中心に海の世界を紹介。

スポンサーリンク
世界のサルベージ オペレーション

来島海峡で水深60mの海底に沈んだ全長約170mの「白虎」引き揚げをはじめ、日本国内でも多くのサルベージオペレーションがおこなわれています。
世界各地で実施されている困難なサルベージの数々を紹介。

Crane1000をもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む

タイトルとURLをコピーしました