Cadelerは2022年5月に発注した吊り上げ能力2,600トン以上のクレーンを搭載したSEP起重機船に続いてF-classの2隻目を発注。同社はO-classと呼ばれる1,200トン吊りのSEP起重機船2隻を保有しており、これまでに2,600トン吊りのX-Class 2隻、F-class 1隻をすでに中国の造船所に発注している。
Cadelerが2隻目となるF-classのSEP起重機船を発注
2022年11月22日、CadelerはプレスリリースでF-class 2隻目となるSEP起重機船の建造を発注したと発表。保有しているO-classと呼ばれる1,200トン吊りのSEP起重機船2隻「Wind Orca」、「Wind Osprey」、すでに発注している新造船のX-Class 2隻、F-class 1隻と合わせて6隻目のSEP起重機船となる。
建造を予定している新造船の完成予定はそれぞれ以下の通り。
既存の保有船2隻に対して6隻目の建造なので3倍。
Cadeler triples fleet after ordering second hybrid jack-up installation vessel
(Cadelerは、2番目のハイブリッドジャッキアップ設置船を注文した後、艦隊を3倍にします)
Cadeler triples fleet after ordering second hybrid jack-up installation vessel
短期間で基礎設置船からタービン設置船に転換する独自のハイブリッド設計
前から気になっているF-classのSEP起重機船の特徴について。
Cadelerが建造予定のF-classは、その特徴として短期間で基礎設置船から風車タービン設置船に転換できる独自のハイブリッド設計があるそうです。ただ、その詳細についての記載は無く、実際どのような機能が備わっているのかは不明。
unique hybrid design allowing the vessel to convert from being a foundation installation unit to a wind turbine generator installation vessel within a short period of time
(短期間で基礎設置ユニットから風力タービン設置船に転換できる独自のハイブリッド設計)
画像で確認する限り、船の設備に大きな違いがあるようには見えません。清水建設が建造した「Blue Wind」のように伸縮するテレスコピッククレーンでもなさそう。
違いを挙げるとすれば、自船の甲板上に搭載しているブレードのラックとモノパイルのラック。実作業を考えると必要な事なんでしょうけど、1つの現場で基礎設置 → 風車タービン設置に切り替える回数は、ほぼ1回しかないので強調してアピールするようなポイントでは無いような気がします。何か違う特徴のことを言っているように思えるんですが、結局わかりませんでした。
建造が進んでくれば分かると思うので、それまで待つことにします。
既存のO-class 2隻もアップグレードする予定
CADELERは保有するSEP起重機船「Wind Orca」、「Wind Osprey」のクレーンを2024年初頭までにアップグレードすることを発表しています。現状では両船とも1,200トン吊りのクレーンを搭載していますが、それぞれ1,600トン吊りにアップグレードする予定。揚程(甲板上から)は、132mから160mになるそうです。
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