CadelerのSEP起重機船「Wind Ally」進水
2025年1月25日、中国のCOSCO SHIPPING HEAVY INDUSTRYで建造しているCadelerのSEP起重機船「Wind Ally」(建造番号:N1130)が進水しました。「Wind Ally」はCadelerのA-Classと呼ばれるSEP起重機船の1番船で2025年後半に完成・引き渡し予定。
SEP起重機船「Wind Ally」の船体寸法は長さ162m、幅60m。Cadelerのウェブサイトに掲載されている情報では、メインクレーンの最大吊り上げ能力について公開されていませんが、メインクレーン製造を手掛けるHuismanの情報によると2,600トン吊りとなっています。揚程は、甲板上180mでブーム拡張により200mまでアップグレード可能。”Rack & Pinion” と呼ばれる歯車方式のレグ4本は長さ119mで最大作業水深70m以上。推進装置は4MWのアジマススラスター4基、2.2MWの格納式スラスター2基、3MWのトンネルスラスター3基を備えた速力11ノットの自航式でDP2の自動船位保持装置(DPS)を搭載。
COSCO SHIPPING HEAVY INDUSTRYはCadelerと5隻(P-Class2隻、A-Class3隻)の建造契約を締結しており、「Wind Ally」は5隻のうち3隻目にあたる。進水後に入れ替わりで次船の建造が開始されるという流れでこれまでも建造が進められていることから、間もなく4隻目の起工式がおこなわれるものと思われる。
CadelerのSEP船 建造状況
船名 | 建造番号 | クレーン能力 | 着工 | 起工 | 進水 | 引き渡し(予定) |
---|---|---|---|---|---|---|
Wind Peak (P-class①) | N1063 | 2,600トン | 2022年6月 | 2023年7月 | 2024年1月 | 2024年8月 |
Wind Pace (P-class➁) | N1064 | 2,600トン | 2023年2月 | 2024年1月 | 2024年6月 | (2025年第2四半期) |
Wind Ally (A-class①) | N1130 | 2,600トン | 2023年9月 | ? | 2025年1月 | (2025年第3四半期) |
Wind Ace (A-class➁) | N1131 | 3,000トン以上 | 2024年7月 | ― | ― | (2026年第3四半期) |
Wind Apex (A-class③) | 未定 | 未公表 | ― | ― | ― | (2027年上半期) |
Wind Maker (M-class①) | No.3306 | 2,600トン | ? | 2024年3月 | 2024年6月 | (2025年第1四半期) |
Wind Mover (M-class➁) | No.3307 | 2,600トン | ? | 2024年11月 | ― | ? |
P-calssの2隻およびA-classの3隻は、中国のCOSCO SHIPPING HEAVY INDUSTRYで建造。M-classの2隻は、韓国のHanwha Ocean(旧 大宇造船海洋:DSME)で建造。
SEP起重機船「Wind Ally」の概要

出典:Cadeler
船名 | Wind Ally |
クレーン能力 | 2,600トン |
揚程 | 甲板上から180m (ブーム拡張時:200m) |
長さ | 162m |
幅 | 60m |
レグ長さ | 119m |
最大作業水深 | 70m以上 |
推進装置 | 4MWアジマススラスター×4基 2.2MW格納式スラスター×2基 3MWトンネルスラスター×3基 |
速力 | 11ノット |
DPS | DP2 |
甲板面積 | 5,600m2 |
甲板強度 | 15トン/m2 |
宿泊設備 | 130人 |
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