撤去したSEP船のクレーン2基を購入
Hapo Purchased Orca And Osprey Cranes
(Hapo が Orca と Osprey のクレーンを購入しました)
https://hapobarges.com/hapo-purchased-orca-and-osprey-cranes/
2023年11月17日、オランダのHapo International Bargesは、CadelerからSEP船「Wind Orca」と「Wind Osprey」に搭載されていた1,200トン吊りクレーン2基を購入したと発表しました。
現在、SEP船「Wind Orca」と「Wind Osprey」はオランダのスヒーダムでメインクレーンの能力を1,200トンから1,600トンへ増強するアップグレードがおこなわれており、そこで撤去した既設の1,200トン吊りクレーン2基は輸送台船に積まれてスヒーダムからHapoのヤードがあるリッデルケルクへ運搬されるという。
掲載記事の情報によると、購入した1,200トン吊りクレーンを台船に搭載し、クレーン船として再利用する計画が進められているそうです。まさにサステナブル、持続可能な循環型社会の実現。
SEP船のクレーンを再利用したクレーン船
CadelerがLinkedInへ掲載している情報によると、SEP船「Wind Orca」と「Wind Osprey」に搭載されていたクレーンは1,200トン吊りでブーム長さは115m、稼働期間は10年間。撤去したクレーン部材に加えて、スペアパーツすべてがHapo International Bargesの手に渡るという。
Hapo International Bargesでは、クレーンを台船に搭載してクレーン船にするという改造計画が進められていますが、まだ計画段階のようなので確定では無さそう。そのため、Hapoの掲載記事にも改造計画をおこなっている間は ”re-sale” 可能という記載があります。2基購入しているので1基は販売できるよ、という意味かもしれません。
”絶対的win-winの状況”
循環性が重視される現代社会で、撤去したクレーンをスクラップとして処分するのではなく、クレーンとして再利用することは Cadeler と Hapo International Barges の両当事者にとって ”絶対的win-winの状況”(absolute win-win situations)であるとCadelerのCEOは述べている。さらに、今後も重量物を吊り上げるという第2の人生を歩み、再利用というクレーンの寿命を結果として伸ばすことになる取り組みはこれが初めてであり、Cadelerの循環性を重視するという目標に沿ったものであると述べています。
大型化に向けたサイクルが加速している洋上風力の分野において、短い期間で施工スペックとして不十分な施工機械がアップグレードされていく中、今後もクレーンの再利用という試みが増えてくるかもしれません。
1,200トン吊りクレーン船追加による施工能力向上
確かに洋上風力の施工クレーンとしては物足りないとしても、他の重量物を吊り上げるクレーンとしては十分な能力を持っている。Hapo International Bargesが現在所有しているクレーン船はクローラークレーンを搭載しているクレーン付き台船を除くと3隻。そのうち最も大きなものでも660トン吊りなので、1,200トン吊りのクレーン船をラインナップに加えることは大幅な施工能力向上につながるといえる。
船名 | H-332 (PLM 15000 E) | Lara 1 | Missing Link |
クレーン能力 | 660トン | 250トン | 250トン |
長さ | 100m | 59.9m | 76.6m |
幅 | 33m | 23.4m | 22.0m |
深さ | 7.6m | 4.5m | 4.6m |
建造年 | バージ:2009年 クレーン:2020年 | 1986年 | 1967年 |
出典:Hapo International Barges
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