SEP船「白鹤滩」による世界最大16MW風力タービン設置開始
中国の「平潭外海洋上風力発電プロジェクト」で16MW風力タービンの設置が開始されました。洋上の風力タービンとしては世界最大の単機出力となる16MWの巨大風車を設置するのは、2022年9月に完成・引き渡しされ、2,000トン吊りクレーンを搭載したSEP起重機船「白鹤滩」(Bai He Tan)。
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タワー設置
報道されている情報によると、ジャケット基礎へ風力タービンのタワー部材を設置していく作業を開始したのは、2023年6月24日。設置作業をおこなうSEP船「白鹤滩」は、ジャケット基礎正面でレグを下ろしジャッキアップした状態で待ち構え、運搬船によって運ばれてきたタワー部材を吊り取って設置していくという作業の手順。
さすがに洋上で地組したタワーを運搬船から吊り取るのはリスクが高いと踏んだのか、4分割された状態で現場に運搬されていました。
ナセル・ハブ設置
6月26日午前4時、ナセルが吊り上げられタワー上部への設置を開始。ナセルの重量は413トン。ハブ高さは152mで、ナセル設置時に必要な吊り上げ高さは162m以上になるという。重量的な事情だと思いますが、ナセル設置時はメインフックを使用しています。その影響もあり、ナセル設置時はクレーンの揚程がギリギリの状態になり、限界近くまでレグを下げて船体を上昇させているのが見て取れます。
SEP船「白鹤滩」建造時に公開されたスペックは、水面上からの揚程170mという事でしたが、大型化していく風力タービンの設置作業では、吊り上げ能力ではなく揚程が重要というのがよく分かりました。逆にタービン基礎の設置では、揚程ではなくクレーン能力が必要。
ちなみに、タワーとナセルを接続する連結ボルトは200本あるという。全数を締めるだけでも結構な時間がかかりそう。
ブレード設置
ブレードの設置が始まったのは、6月27日午前7時。長さ123mのブレードを高さ152mの位置でドッキングする作業は風力タービン設置の中で最も難易度の高い工程。無事に取り合いが終わった後のブレードとハブを連結するボルトの数は176本あるそうです。
6月28日午後にはブレード3枚の設置が完了する見込み。
3交代制による24時間作業、作業員は113人
16MWの巨大風力タービン設置作業には多くの人が関わっているようで、ニュース記事によると113人の方が作業しているそうです。基本的には昼夜ぶっ通しで3交代制による24時間作業がおこなわれているという。
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