石狩湾新港 SEP船「BLUE WIND」によるタービン設置開始
2023年7月14日、石狩湾新港の沖合で建設が進められている「石狩湾新港洋上風力発電所」で清水建設のSEP起重機船「BLUE WIND」により風力タービンの設置作業が始まりました。
「石狩湾新港洋上風力発電所」では、Siemens Gamesaの出力8MW風力タービン「SG 8.0-167 DD」を14基設置する計画で、その土台となる基礎はジャケット式を採用。
報道されている情報によると船には乗組員のほか、風力タービン建設に携わる作業員あわせて130人が乗船。建設作業は2交代により24時間体制でおこなわれているという。地元漁協との取り決めにより風力タービン設置工事は秋サケ漁が始まる前までに終えることになって、8月末までにSEP船「BLUE WIND」による設置作業は完了する予定。
1基当たり3日間で組み立てる予定
石狩沖 国内最大級の洋上風力発電 1基目の風車建設始まる(抜粋)
風車は▽塔になる高さ88メートルの筒型の部材と、▽一枚の長さが82メートルの羽根、それに▽発電機が入った部材などを船に積み込んで洋上の現場へ運び、1基あたり3日間で組み上げます。
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20230714/7000059191.html
風力タービン設置場所でジャッキアップするSEP起重機船「BLUE WIND」の甲板スペースには2セット分のタービン資材が積み込まれているのが確認できる。「BLUE WIND」のスペック的には8MW風車なら7基、12MWなら3基分の全部材を一度に搭載できるので、かなり控えめな積込数量になっているようですが、設置場所と積込場所の距離が近い今回の現場ではそれほど工程的な影響は無いと思われる。
それよりも工程に大きな影響を与えるのは、1基当たりの設置サイクルが3日間という点。設置を開始したのが7月14日、その日から14基×3日=42日間の設置日数が必要だとすると、完了するのは8月24日ということになる。
世界最大級・高効率の自航式SEP船を建造(抜粋)
8MW風車なら7基、12MWなら3基分の全部材を一度に搭載でき、予備日をみても8MW風車の場合は7基を10日、12MWの場合は3基を5日で据え付け可能
清水建設 | ニュースリリース(https://www.shimz.co.jp/company/about/news-release/2019/2019007.html)
建造時に発表していた施工に必要な日数は、8MW風車7基を10日だったので、それと比較するとおよそ2倍の日数を見込んでいるということになります。かなり余裕を見ているので、予定より早く終わると思いますが、ひとたび台風が接近すると資機材の養生や自船の避難などにより荒天日以上の日数をロスしてしまう事もあるので油断は禁物。
よく読まれている記事