ドイツ沖の「He Dreiht Offshore Wind Farm」モノパイル設置開始

出典:Heerema Marine Contractors
2024年5月25日、Heerema Marine Contractorsはドイツ沖の「He Dreiht Offshore Wind Farm」で3基のモノパイルとトランジションピースを設置したと発表。各3基の設置成果により、今後のプロジェクト工程における設置サイクルの基礎を築くことが出来たとプレスリリースで述べています。
「He Dreiht Offshore Wind Farm」では、Vestas製の15MW風力タービン「V236-15.0 MW」64基と洋上変電所1基を設置する計画となっており、残る61基のモノパイルとトランジションピースは今夏の間に設置がおこなわれる予定。
設置作業をおこなったのは、Heerema Marine Contractorsの14,200トン吊りクレーン船「Thialf」。モノパイルは長さ約70m、重量1,350トン。そして、パイルグリッパーが無い状態のクレーン船「Thialf」でモノパイル打設をおこなうため、テンプレート兼騒音軽減システムを搭載した「NMS-T-10000」を使用しています。
騒音軽減システム「NMS-T-10000」

出典:Heerema Marine Contractors
騒音軽減システム(Noise Mitigation System)「NMS-T-10000」の重量は約2,500トン、高さ50m、テンプレートベースの幅は45m。直径10mまでのモノパイルに対応し、打設時に発生する水中騒音を軽減させるという効果に加えて、最大傾斜3度までモノパイルの鉛直性を保持するというレベリング機能を備えている。
騒音軽減の仕組みとしては、モノパイルを挿入する中央部分の排水をおこない、空気の障壁をつくることで周囲の水中へ騒音が伝わらないようにするというもの。なので、全体を水没させて使用することはできないようで、高さ50mに対して使用可能水深は42mとなっている。さらに、IQIPのウェブサイトで掲載されている情報によると、外周部分にマルチサイズの気泡を注入するバブルシステムも備えており、この効率的な方法によって水中騒音を最大98~100%軽減すると述べている。
Heeremaのプレスリリースでは、double walled noise mitigation template(二重壁騒音低減テンプレート)と説明されていました。
「He Dreiht Offshore Wind Farm」の概要

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