日本郵船がバングラデシュの船舶解撤ヤードを認証ヤードに追加

日本郵船がバングラデシュの船舶解撤ヤードを認証ヤードに追加 船舶

 日本郵船がバングラデシュの船舶解撤ヤード PHP Ship Recycling Facility を環境対策や労働安全衛生、人権尊重に関する自社の基準を満たした認証ヤードに追加。バングラデシュの船舶解撤ヤードが日本郵船の認証ヤードとなるのは今回が初めて。

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日本郵船がバングラデシュの船舶解撤ヤードを認証ヤードに追加

バングラデシュにある船舶解撤ヤード PHP Ship Recycling Facility
出典:NYK Line
日本郵船の掲載記事

バングラデシュの船舶解撤ヤードを当社認証ヤードに追加

環境・安全・人権を尊重した解撤を拡大

https://www.nyk.com/news/2023/202303013_01.html

 2023年3月13日、日本郵船はバングラデシュのPHP Ship Breaking and Recycling Industries Ltd.が運営する船舶解撤ヤード PHP Ship Recycling Facilityを、環境対策や労働安全衛生、人権尊重に関する当社の基準を満たした認証ヤードに追加したことを発表。

 解体される船舶には良質な鉄が大量に含まれており、再生資源として適切にリサイクルすることが循環経済実現のために重要とされています。ですが、船舶が解体される際の環境汚染や労働災害の最小化が課題とされてきました。

ばら積み貨物船の解体現場
出典:Wikipedia | user:Wranzl – 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 3.0, リンクによる
ガスバーナーを使った解体現場
出典:Wikipedia | Naquib Hossain, CC 表示-継承 2.0, リンクによる

 今回、認証ヤードに追加されたバングラデシュをはじめ発展途上国では安全に対する意識が低く、作業員はヘルメットをかぶる者すら少なく、素手に素足で作業しているということも珍しくない。このような危険作業や有害物質の流出から途上国への廃船輸出には批判も多かった。

 このような状況を改善するため、2009年には国際海事機関(IMO)において適切な船舶解体の基準を示した「船舶の安全かつ環境上適正な再生利用のための香港国際条約」というシップリサイクル条約が採択されました。

 日本郵船の掲載記事によると、ヤード認証過程で監督を派遣し、独自の更に厳しい基準で監査に合格した場合にのみ認証ヤードとしているそうです。これまでにインドで30か所、中国で3か所、トルコで1か所のヤードが認証されており、バングラデシュの船舶解撤ヤードが日本郵船の認証ヤードとなるのは今回が初めてだそうです。

 2023年3月上旬に日本郵船グループ所有船が解撤を行うためにPHPヤードに入港。この船の解撤では、日本郵船グループの船舶管理会社が監督を派遣し、現地で解撤工程のモニタリングを行うという。

 SDGsの取り組みとしてシップリサイクル条約を順守した船舶解撤ヤードでの解撤は現地で働く作業員の方やその地域の方だけではなく、船舶を解撤する企業にとっても有益。日本郵船の記事に掲載されている認証されたPHPヤードの画像を見ると、設備や資材が整然と並べられ、管理が行き届いているのが一目瞭然で理解できます。

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