積載容量1万トンのケーブル敷設船「启帆19」海上公試完了

積載容量1万トンのケーブル敷設船「启帆19」海上公試完了 船舶
スポンサーリンク

積載容量1万トンのケーブル敷設船「启帆19」海上公試完了

2024年5月31日、中国で建造されているケーブル敷設船「启帆19」(Qi Fan 19)の海上公試(Sea Trial)が完了。

試験は7日間に渡って実施され、船の電気推進システムやケーブル敷設機器をはじめ、航行・通信システム、火災ほか緊急時に使用する安全・救命装置などあらゆる設備・機器の試験をおこない設計の機能目標を達成したという。

ケーブル敷設船「启帆19」の船体寸法は全長108.6m、幅37.2m。船体中央に設置したターンテーブルに海底ケーブル10,000トンを積載することが出来る。積載量を各ケーブル延長に換算すると、3芯の220kV交流ケーブル75km、単芯の300kV直流ケーブル130km、光通信ケーブルだと2,000km。

ケーブル敷設船「启帆19」は、2022年11月に建造を開始しており、海上公試完了段階で建造期間は18ヶ月。船のボリュームからすると建造期間が少し長いような気もしますが、それだけケーブル敷設船の建造が複雑なのかもしれません。ちなみに、建造開始時(2022年11月)の建造予定期間は16カ月で完成予定は2024年3月でした。建造費用は2億5千万元、日本円に換算すると約50億円。

海上公試を終えて間もなく引き渡しされる予定となっており、洋上風力関係のケーブル敷設の他に島嶼間とうしょかんの海底ケーブル設置や保守などで活躍が期待されている。

ケーブル敷設船「启帆19」の建造タイムライン
  • 2022年11月
    建造開始
  • 2023年11月
    進水
  • 2024年5月
    海上公試

最大埋設深度4.5mの曳航式トレンチャー搭載

ケーブル敷設船「启帆19」には、中国で独自開発された曳航式トレンチャーが搭載される予定。ですが、報じられている内容に新たな情報はありませんでした。

船体進水時に報じられていた情報として、最大掘削深度は4.5m、海底面の掘削方法はウォータージェットを使用。

Van OordやJan De Nulなどヨーロッパ企業のケーブルトレンチャーが自走式なのに対して「启帆19」に搭載されるものは曳航式。実際の施工がどのようになるのか気になるところ。

ケーブルトレンチャーDeep Dig-It
出典:Van Oord
海底トレンチングビークル「UTV1200」
出典:Jan De Nul

ケーブル敷設船「启帆19」

船名启帆19
長さ108.6m
37.2m
喫水6m
ケーブル
積載容量
10,000トン
ケーブル敷設船「启帆19」完成イメージ
出典:CHINA ASSOCIATION OF THE NATIONAL SHIPBUILDING INDUSTRY
スポンサーリンク
興味深い海の世界

あらゆるものが巨大な海の世界。
なかでもインパクトの強い画像を中心に海の世界を紹介。

スポンサーリンク
世界のサルベージ オペレーション

来島海峡で水深60mの海底に沈んだ全長約170mの「白虎」引き揚げをはじめ、日本国内でも多くのサルベージオペレーションがおこなわれています。
世界各地で実施されている困難なサルベージの数々を紹介。

Crane1000をもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む

タイトルとURLをコピーしました