EFGLに設置する10MW浮体式洋上風力のブレードがフランス到着
フランスの地中海側に建設が進められている浮体式洋上風力発電プロジェクト「Les Éoliennes Flottantes du Golfe de Lion」(EFGL)で設置する浮体式洋上風力タービン3基のブレードがポール=ラ=ヌーヴェル(Port-la Nouvelle)に到着。
ブレードを輸送したのは、全長143.78mの貨物船「FWN ARCTIC」。甲板上に85トン吊りのクレーン2基を搭載していますが、荷下ろしには岸壁のクローラークレーンを使用。ブレードは長さ80m、重量34トン/枚。
EFGLでは、Vestas製の10MW風力タービン「V164-10.0 MW」を搭載した浮体式洋上風力タービン3基の設置が計画されており、総発電容量は30MW。浮体にはPrinciple Powerの「WindFloat」を採用しています。
以前、2023年2月に東京ガスと信夫山福島電力が「WindFloat」の浮体技術を用いて福島沖の浮体式洋上風力発電事業について実施に向けた検討を開始した時の記事でEFGLについて調べた時は、2023年半ばから浮体基礎への風力タービン搭載、2023年末に設置海域へ曳航・設置、2024年完成予定でした。なので、建設スケジュールは当初計画より遅れているようです。
ブレードを架台に載せた状態で運搬
出典:Euroports
作業関係者にとっては一般的なことなのかもしれませんが、効率良い施工方法だなと思ったことを紹介。
貨物船「FWN ARCTIC」で輸送してきたブレード架台を見ると、下にSPMT(Self Propelled Modular Transporter:自走式多軸台車)が入り込むスペースが確保されていました。この方法だとSPMTで運搬して保管場所に到着後、ブレードを揚重するクレーンが不要になる。架台自体は、ブレード吊り上げ治具および輸送時の固縛として使用している場面を他でも見たことありましたが、少しの工夫によってブレード3段積み重ねた状態をSPMTのみで運搬できるのは効率いいし、メリット多い。
浮体「WindFloat」の建造状況
出典:Principle Power
風力タービンを搭載する浮体部分は、フランスのフォス=シュル=メール(Fos-sur-Mer)にあるEiffage Metalのヤードで建造が進められています。
2024年7月にPrinciple Powerが公開した浮体「WindFloat」の建造状況を見ると、着実に作業は進んでいるようですが、まだまだ時間を要する感じ。
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