1,600トン吊りSEP船「CP-16001」完成・引き渡し
2023年9月27日、五洋建設、鹿島建設、寄神建設の3社は共同で建造を進めていた1,600トン吊りSEP起重機船「CP-16001」が完成し、引き渡しされたことを明らかにしました。インドネシアのバタム島にあるPaxOcean Graha造船所で建造され、9月8日に引き渡し式が行われていたという。
当初の予定では2022年9月に完成・引き渡し予定だったので、丸一年遅れたことになります。何か不具合でもあったのか、もしくは仕様変更や新たな機能を追加しているのか、気になっていましたが特に今回発表された内容でSEP船に関する新たな情報はありませんでした。しいて言えば、SEP船の船内にある居室がシャワートイレ付きで備え付けの家具が木製であるという情報。船内生活を快適に過ごせそうな感じはしますが・・。もっと施工に関する搭載設備や環境負荷低減に対する取り組みの詳細情報が知りたかった。
- 2019年11月建造を発表
投資額は約185億円
- 2020年1月建造契約、船舶保有会社設立
SEP起重機船の保有・運営は、共同出資会社「PKYマリン株式会社」(出資比率 五洋:65%、鹿島:30%、寄神:5%)が行う
- 2020年10月起工
建造場所はインドネシアのバタム島にあるGraha造船所
- 2021年12月進水
2022年9月完成・引き渡し(当初予定)2023年4月稼働開始(当初予定)- 2023年9月完成・引き渡し
- 2023年11月稼働開始予定
「北九州響灘洋上ウインドファーム」で基礎工事の一部と風力タービン設置をおこなう予定
1,600トン吊りSEP起重機船「CP-16001」の概要
船体の基本設計及びジャッキアップシステムは GustoMSC によるもので、最大1,600トン吊りのクレーンはHuisman製。全長123m、幅45m、レグ長さは不明、最大搭載人員100人。メインクレーンのブーム長は130mで、揚程は甲板上から143m。15MW級の風力タービン設置が可能。
船名 | CP-16001 |
クレーン能力 | 1,600トン |
ブーム長さ | 130m |
揚程 | 143m(甲板上) |
長さ | 123m |
幅 | 45m |
最大搭載人員 | 100人 |
建造年 | 2023年9月 |
11月から「北九州響灘洋上ウインドファーム」で稼働予定
SEP起重機船「CP-16001」完成発表の記事によると、今後は2023年11月から「北九州響灘洋上ウインドファーム」で稼働予定だという。初任務となる現場ではジャケット式の基礎工事の一部と風力タービン設置をおこなう。2025年4月から始まる風力タービン設置では、Vestas の出力9.6MWという国内最大の洋上風車を25基設置する予定。
「北九州響灘洋上ウインドファーム」の設置海域で爆発物らしきものを発見
「北九州響灘洋上ウインドファーム」では、風力タービンを設置する海域の海底調査で今年の6月に爆発物らしきものが発見されて以降、次々と発見され、現在発見されている数は14。先日、そのうちの1つの機雷が爆破処理されましたが、まだ13の爆発物らしきものが海底に残っている状態。
SEP起重機船「CP-16001」の現在地はインドネシア
11月から北九州で稼働予定のSEP起重機船「CP-16001」ですが、今はまだインドネシアにいます。インドネシアのバタム島から北九州までの距離は、約4,800km、およそ2,600海里。日本まで曳航されるのか、半潜水式運搬船に搭載されて移動してくるのかによっても必要日数は変わってきますが、平均8ノットで計算すると2週間程度必要。
長期予報の天気図では10月以降にポコポコ熱低が出来て、フィリピン、台湾、沖縄周辺に影響がでそうな感じなので、予報通りになってしまうとしばらく動けないかもしれません。無事に日本へ辿り着くことを期待してます。
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