清水建設のSEP船「BLUE WIND」来年2月から台湾で施工
Fred. Olsen Windcarrier awarded a contract with Shimizu for Jack-up vessel Blue Wind
(Fred. Olsen Windcarrierが清水建設とジャッキアップ船「Blue Wind」の契約を締結)
https://windcarrier.com/media/news/fred-olsen-windcarrier-awarded-contract-with-shimizu/
2023年9月1日、Fred. Olsen Windcarrier (FOWIC)は清水建設と台湾で建設が進められている雲林洋上風力発電所(Yunlin Offshore Wind Farm)のモノパイル輸送と設置について契約を締結したと発表。掲載されている記事によると、SEP起重機船「BLUE WIND」による施工開始時期は2024年2月からで期間は200日が見込まれているという。
SEP船「BLUE WIND」は現在、北海道の石狩湾新港で8MWの風力タービン14基を設置する作業に従事しています。石狩湾新港で設置しているSiemens Gamesa の風力タービン「SG 8.0-167 DD」は、台湾の雲林洋上風力で設置するものと同じタイプ。8月中に14基の設置が完了する予定でしたが、AIS情報を見る限りSEP船「BLUE WIND」は、まだ設置エリアにいるので作業が遅れているものと思われる。
台湾の雲林洋上風力へ向けたSEP船「BLUE WIND」の準備は、2023年12月から開始される予定。
およそ2年前に洋上風力での協力体制に関する覚書を締結
清水建設は、およそ2年前の2021年6月に FOWIC の親会社にあたるノルウェーの Fred.Olsen Ocean Ltd.と洋上風力建設分野での協力体制の構築に関する覚書を締結している。FOWIC と協力して台湾の洋上風力プロジェクトにSEP船「BLUE WIND」を使用することは想定の範囲内なのかもしれませんが、少し驚きました。ですが、それだけSEP船「BLUE WIND」の施工能力が高く評価されているということが言えるのかもしれません。
少し気になるのは、SEP船「BLUE WIND」の向かう現場が雲林洋上風力発電プロジェクトであるという点。
雲林洋上風力発電所(Yunlin Offshore Wind Farm)
雲林洋上風力発電所(Yunlin Offshore Wind Farm)は、今から4年以上も前の2019年5月に着工しています。そして、SEP船「BLUE WIND」が施工するのは風力タービン設置ではなく基礎部分のモノパイル設置。詳細な情報があまり公表されていないので進捗状況がはっきりしませんが、まだモノパイル設置が終わっていなかったんだ、という印象。
雲林洋上風力発電所には、日本の企業も出資しているようですが大幅な工程遅延による施工費増加で多額の損失が出ているようです。工程遅延に影響しているのは、着工してから世界的に大流行した新型コロナウィルスによる人材や資機材調達の遅れに始まり、モノパイルに関する事故や台風などの天候による影響などいろいろな要因が重なってしまっているようです。
SEP船「BLUE WIND」が行ってサクッと担当工種を終わらせてくれることを期待していますが、曰く付きの現場なので心配です。
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