大型起重機船による広島はつかいち大橋の橋桁架設、7月9日開始予定
2024年7月2日、広島市と廿日市市の沿岸を結ぶ「広島はつかいち大橋」の4車線化に向けた大型起重機船による橋桁架設工事の日程が公表されました。海上部660mの橋桁は6ブロックに分割して架設が予定されており、最初の1ブロックは7月9日に実施予定。
架設する橋桁は、大阪府和泉市、香川県仲多度郡多度津町、大分県大分市の3カ所で製作。東側の1ブロックから6ブロックへ順次架設が進められ、現時点で最終6ブロックの架設予定は7月31日。
ブロック | 橋桁長さ | 架設予定日 |
---|---|---|
第1ブロック | 113.9m | 7月9日(火) |
第2ブロック | 95.0m | 7月12日(金) |
第3ブロック | 106.3m | 7月17日(水) |
第4ブロック | 138.7m | 7月23日(火) |
第5ブロック | 109.9m | 7月26日(金) |
第6ブロック | 95.4m | 7月31日(水) |
架設作業をおこなう2,200トン吊り起重機船「駿河」到着
橋桁の架設作業をおこなうのは、深田サルベージ建設所有の2,200トン吊り起重機船「駿河」。
起重機船「駿河」自体はAISを発信していないため位置情報を確認することは出来ませんが、船団を構成するタグボートのAIS情報によると、7月5日昼頃に架設場所から約1kmの場所にある廿日市市の木材港南に到着したようです。広島テレビがYouTubeで配信しているLIVEカメラに起重機船「駿河」が映り込んでいました。小さいけど・・。
YouTubeリンク先 広テレ!NEWS | 【LIVE】広島宮島 世界遺産「嚴島神社」
最初の橋桁架設は7月9日に予定されており、橋桁の吊り上げに向けたワイヤリングや架設時の起重機船係留用アンカーを事前に設置するなどの準備が進められるものと思われます。
橋桁は前日に吊り上げる?
広島県が発表している情報には、架設日のサイクルタイムが掲載されていました。
時間 | 作業内容 |
---|---|
06:00~ | フローティングクレーンによる吊運搬 |
06:30~ | 架設位置係留 |
08:00~ | 架設ブロック(橋桁)巻き下げ・架設 |
12:30~ | 玉掛解体 |
15:00~ | フローティングクレーン移動 |
17:00 | 作業終了 |
出典:広島県 | 広島はつかいち大橋|海上部橋桁(上部工)の架設工事について
掲載情報には ”時間はあくまで目安です” という注意書きがあり、気象状況や作業の進捗状況によっては工程どおりにならない場合があると書かれています。同様の作業やこれまでの経験から作業に必要な所要時間を積み重ねたサイクルタイムなので実際の作業では、時間がズレ込んだり、前倒しになることは考えられる。
気になったのは、朝6時からおこなわれる最初の作業で起重機船による吊運搬を開始しているという点。朝6時より前に作業が無いのであれば、前日に運搬台船から橋桁を吊り上げる作業をおこなっているということになる。
海上作業を保安部に申請する時、”日の出~日没” の間で作業を実施するというのが一般的。というのも、日中と夜間では同じ作業をおこなうにしても暗闇の中でおこなうと事故の発生リスクが格段に跳ね上がる。作業場所の特性や作業内容によっては、照度を確保するなど安全対策を実施して夜間作業をおこなうこともありますが、今回の架設作業では ”日の出~日没” の可能性が高そう。
最初の1ブロック架設を予定している7月9日の ”日の出時間” は 05時06分 。吊運搬開始の予定時刻まで約1時間あるのでギリギリ間に合いそうな気もしますが、もしそうだとするとサイクルタイムに記載されているはず。総合的に考えて、橋桁を前日に輸送台船から吊り上げる可能性が高そうですね。
2,200トン吊り起重機船「駿河」
船名 | 駿河 |
---|---|
吊上げ能力 | 2,200トン |
長さ | 90m |
幅 | 41m |
深さ | 7m |
建造年 | 1991年 |
所有会社 | 深田サルベージ 建設株式会社 |
出典:FUKADA SALVAGE & MARINE WORKS
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