中国で3ヵ月前に設置したツイン風力タービンから出火
2023年5月に設置されたばかりのツイン風力タービンから出火したという。今のところ原因は不明。
「赛瑞号」という名前が付けられたタンデム型ツイン風力タービンは、中国華能集団が独自に開発。ナセルの前後にそれぞれ3枚ずつブレードが取り付けられており、出力は2.7MW。この独特な形状をした風力タービンは世界初だという。
中国のSNSであるWeChat(微信)に投稿された動画では、ナセルから出火したとみられる火の手が風下側のブレードまで燃え広がる様子が映っている。火災による負傷者は報告されていない。
エネルギー分野の主要技術設備プロジェクトとして選出
2023年7月27日、中国の国家エネルギー局はエネルギー分野における主要技術設備プロジェクトを公表。その中で、風力発電設備として選ばれているのが出力16MWの風力タービン「GWH252-16MW」とツイン風力タービン「赛瑞号」。
「GWH252-16MW」は、Goldwind(新疆金風科技)と中国長江三峡集団が共同で開発した風力タービンで、現在洋上に設置されている風力タービンとしては世界最大。福建省の沖合に設置され、2023年7月に送電網への接続がおこなわれている。
中国を代表する超大型風力タービン「GWH252-16MW」と同列で評価していたツイン風力タービン「赛瑞号」での火災。型式認証や信頼性の検証といったステップを踏まない中国のやり方では、急速に実用化が進む反面、こうした事故が起こるべくして起きたような気もする。まだ開発段階であると平然と言ってのけそうですが、国としてお墨付きを与えた直後に起きた事故はかなり体裁が悪そう。関係者は血眼になって火災原因の究明と問題点の改良に取り組まざるを得ないかも。奇抜な形状ですがアイデアはいいと思うんですけどね。
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