住友商事が洋上風力支援船を保有・運航するIWS Fleetに出資参画
2024年5月28日、住友商事は Integrated Wind Solutions(IWS)の子会社にあたるノルウェーの洋上風力支援船保有・運行会社の IWS Fleet と出資参画に合意したことを発表。5月27日に合意し、出資完了は6月を予定しており、IWS Fleet は住友商事の持分法適用会社になるという。
オスロ証券取引所のオンライン情報システムで入手可能な情報によると、IWS Fleet は1億7,600万ユーロ、日本円で約300億円のプレマネー評価(Pre-Money Valuation:出資前の段階における企業価値評価額)に基づき、住友商事に新株を発行することで6,000万ユーロ(約102億円)の資本を調達する予定。6月の取引完了後、住友商事は IWS Fleet の株式25.38%を所有。
IWS Fleetは2025年にCSOV6隻を保有予定
IWS Fleet は、CSOVの船隊規模で世界2位となる6隻(2隻竣工、4隻建造中)を保有し、運航管理をおこなっている。2023年12月に「IWS SKYWALKER」そして、2024年3月に「IWS Windwalker」が竣工し、残る4隻を含めたCSOV6隻は中国の招商局重工有限公司(CMHI)で竣工又は建造中。
船名 | 完成予定 | |
1番船 | IWS Skywalker | 2023年 |
2番船 | IWS Windwalker | 2024年 |
3番船 | IWS Seawalker | 2024年 |
4番船 | IWS Starwalker | 2024年 |
5番船 | IWS Moonwalker | 2025年 |
6番船 | IWS Sunwalker | 2025年 |
住友商事のプレスリリースでは、洋上風力発電所の建設段階において洋上風車上での作業に従事する技術者に対し、宿泊施設や安全に洋上風車へ移動する手段を提供するCSOV(Commissioning Service Operation Vessel)は、洋上風力開発が先行している欧州を中心に需要が増加しており、2027年には世界で約60隻、2030年には100隻以上が必要になる予測だと述べている。
沖合のうねりがある中で風力タービンへの昇降はリスクが高い
これどこだろう🤔
— クレーン船.com (@crane1000com) May 16, 2024
洋上風力タービンから輸送船へ乗船する様子。このうねりでこの方法だと事故が起こるのは時間の問題かも・・pic.twitter.com/2lZwdOPlW0
港内や沿岸部とは異なり、沖合の広い大海原に設置された風力タービンへの昇降は事故が起きやすく非常にリスクが高い。👆上の動画では、”うねりがある中での昇降” という危険ポイント以外に、船に乗船している作業員の安全意識が低いことに気を取られてしまいますが、このような状況で船舶と風力タービンとを行き来することの危なさがよく分かる。
うねりがある場合、作業員輸送船の船首を風力タービン側の昇降設備に押し当て続ける事が困難であるため、動画内でも少し離した状態で昇降していることが確認できます。逆に無理してうねりの中で押し当て続けると👇下のようなことが起こる可能性が・・。
IWS Fleet が保有するCSOVには動作補償機能が付いたギャングウェイと呼ばれる風力タービンへの昇降をおこなう伸縮する渡橋が搭載されており、高い安全性が確保されている。
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