フロートオーバーによる重量14,000トンのトップサイド設置
Boskalisは、マレーシアのボルネオ島サラワク州沖でJerun-Aプラットフォームのトップサイド設置が完了したことを発表しました。
重量14,000トンのトップサイド設置作業は、クレーン船を使用しないフロートオーバーという方法で施工。
MMHB West Yardでのトップサイド積込
トップサイドの製造は、マレー半島南部のジョホールにあるMMHB(Malaysia Marine and Heavy Engineering Holdings Berhad)West Yardでおこなわれ、スキッドウェイ(skidway)と呼ばれるレールの上をストランドジャッキで引っ張って滑らせるように移動させて、輸送するBoskalisの半潜水式重量物運搬船「Forte」に積み込み。
トップサイド設置
出典:Boskalis
現地でのトップサイド設置作業では、半潜水式重量物運搬船「Forte」に搭載されているDPS(Dynamic Positioning System:自動船位保持装置)による制御下で施工を実施。船体位置および進入コースを高い精度で制御した状態で搭載位置へ移動し、自船をバラスト調整で降下させて設置完了。
位置図
設置がおこなわれたJerunガス田は、SapuraOMV(40.0%)、Sarawak Shell Berhad(30.0%)、Petronas Carigali(30.0%)が出資・所有者でSapuraOMVがオペレーターとして開発が進められています。
基礎ジャケットは11,200トン
出典:SapuraOMV Upstream (Sarawak) Inc.
気になったのでトップサイドを支える基礎ジャケットの方についても調べてみました。
2023年6月10日におこなわれたジャケットの積み込み作業。重量はトップサイドよりも少し軽い11,200トン。
ジャケットを輸送台船に積み込むスキッドロードアウトにはSarensの機器が使われたそうです。使用されたのは588トンのストランドジャッキ8台、800トンのストランドジャッキ4台、水中ポンプ44台など。
ジャケットはトップサイドのようにフロートオーバーで設置という訳にはいかないので、スライド進水させた後にクレーン船で設置がおこなわれました。使用されている台船は、Heerema Marine Contractorsの「H-542」。
船名 | H-542 |
載貨重量トン | 41,177トン |
最大進水重量 | 20,500トン |
長さ | 165m |
幅 | 42m |
深さ | 10.7m |
出典:SapuraOMV Upstream (Sarawak) Inc.
半潜水式重量物運搬船「Forte」
船名 | Forte |
総トン数 | 36,653トン |
載貨重量トン | 48,312トン |
長さ | 216.75m |
幅 | 43m |
深さ | 13m |
最大甲板深度 | 13m |
DPS | DP-2 |
船籍 | マルタ |
建造年 | 2012年 |
出典:Boskalis
【類似】フロートオーバーによる11,500トンのトップサイド設置
出典:Boskalis
半潜水式重量物運搬船「Forte」は、数年前にもボルネオ島沖でBokor fieldのトップサイド設置を今回と同様にフロートオーバーでおこなった実績があるそうです。この時のトップサイド重量は、11,500トン。
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