WFOが2024年レポートを発行、世界で11GW増加

WFOが2024年レポートを発行、世界で11GW増加 洋上風力発電
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WFOが2024年レポートを発行 世界の洋上風力発電容量は11GW増加

2025年4月30日、WFO(World Forum Offshore Wind:世界洋上風力フォーラム)が「Global Offshore Wind Report 2024」を発行。

2023年の年次レポートが発行されたのは4月23日だったので、発行時期は昨年と同じくらい。洋上風力事業の数はそこまで多くは無いと思いますが、世界全体のデータを精査して取りまとめる作業には多くの労力と時間を必要とすることが想像できます。毎日、洋上風力に関係する情報を調べていることもあり、WFOの集計したレポートは毎回非常に興味深く見ている。

【注意】レポートはpdf形式なので、リンクをクリックするとダウンロードが始まります

レポート(本文)リンク先WFO Global Offshore Wind Report 2024

数字で見るレポートのトピック
  • 2024年に世界で設置された洋上風力発電設備容量は11.11GW
  • 2024年に中国だけで設置された洋上風力発電設備容量は6.8GW
  • 2024年末時点で稼働している世界の洋上風力発電設備容量は78.522GW
  • 世界で建設中の洋上風力発電設備容量は23.57GW
  • 2024年に運転を開始した洋上風力発電所は31、平均発電容量は336MW

2024年に世界で設置された洋上風力発電設備容量は11.11GW

WFOのレポートによると、2024年に世界で運転を開始した洋上風力発電所は31、発電設備容量の合計は11.11GW。2023年の9.8GWと比べて1.31GWの増加。運転を開始した洋上風力発電所 31の地域別内訳は、アジア 23、ヨーロッパ 7,アメリカ 1。

レポートには31の洋上風力発電所について、個別の詳細データも掲載されています。その中に日本の洋上風力発電所は入っていませんでした。2024年1月1日に商業運転を開始した「石狩湾新港洋上風力発電所」は、前回の2023年レポートで既に運転開始としてデータに計上されていることが理由のようです。

アジアで運転を開始した洋上風力発電所 23の内訳は、中国 19、台湾 3、韓国 1。発電設備容量で見ると、中国 6.756GW、台湾 1.524GW、韓国 0.1GW。世界的に見ても突出した成長を持続する中国に次いで、運転を開始した洋上風力発電設備容量が世界で2番目に多かったのは台湾。

世界の洋上風力発電設備容量は78.522GW

2024年末時点で世界の累積洋上風力発電設備容量は、前年末の67.412GWから11.11GW増加して78.522GW。そして、国別の洋上風力発電設備容量で世界第一位の中国は38.283GW、約49%を占めています。

世界で稼働中の洋上風力発電所は 313あり、その内訳はアジアに 181、ヨーロッパに 129、アメリカに 3となっているという。

国別の洋上風力発電設備設置容量

順位前年
順位
国名累計設置容量
(GW)
前年比
(GW)
#1中国31.527+5.964
#2イギリス14.741+1.14
#3ドイツ8.300-0.103
#4オランダ5.269+2.259
#5デンマーク2.3430
#6ベルギー2.2630
#7フランス0.978+0.496
#8↑#9台湾0.613+0.376
#9↓#8ベトナム0.496+0.1
#10日本0.346+0.121
出典:WORLD FORUM OFFSHORE WIND
順位前年
順位
国名累計設置容量
(GW)
前年比
(GW)
#1中国38.283+6.756
#2イギリス15.623+0.882
#3ドイツ9.018+0.718
#4オランダ5.401+0.132
#5デンマーク2.687+0.344
#6ベルギー2.2630
#7↑#8台湾2.137+1.524
#8↓#7フランス1.500+0.522
#9ベトナム0.4960
#10日本0.3460
出典:WORLD FORUM OFFSHORE WIND

世界で建設中の洋上風力発電設備容量は23.57GW

2024年末時点で建設中の洋上風力発電所は 38、発電設備容量は23.57GW

国別だと中国 9.936GW、イギリス 5.466GW、アメリカ 4.097GW、ドイツ 1.873GW、フランス 1.052GW、台湾 0.813GW、日本 0.238GW、韓国 0.096GW。

日本で建設中の洋上風力発電所として記載されているのは「北九州響灘洋上ウインドファーム」。着床式でジャケット基礎にVestasの「V174-9.5 MW」25基を設置する計画。9.5MW×25基=237.5MWですが、接続容量は220MW。日本国内において商用規模の運転中または建設している洋上風力発電所の中で発電容量・単機出力ともに最大。

大規模な商用の浮体式洋上風力として国内初となる「五島洋上ウィンドファーム」も現在建設中ですが、2022年レポートにデータ計上されているため、2024年レポートのデータには含まれていません。

2024年に契約締結した風力タービンメーカートップはSiemens Gamesa

WFOのレポートによると、2024年に契約を締結した洋上風力タービンは 22.9GW相当。

その中で全体の23%を受注してトップに立ったのは、Siemens Gamesa(計算すると約5.3GW)。次いで2位はVestas(4.6GW)、3位はMing Yang Smart Energy(2.2GW)。

2019年から2024年の長期スパンで見てもトップは変わらず、市場シェア28%でSiemens Gamesa。2位はMing Yang Smart Energy(13%)、3位はVestas(9%)。

2024年は、中国で一部のタービンOEMが大型風力タービンユニットの開発を継続する一方で、他のOEMは財務的圧力に直面しながら、標準化された収益性の⾼いユニットの連続生産に注力しているという。

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