SEP船「CP-16001」インドネシアから長崎へ到着
2023年9月に完成・引き渡しされた1,600トン吊りSEP起重機船「CP-16001」が建造場所であるインドネシア バタム島のGraha造船所から半潜水式運搬船に搭載されて長崎に到着。SEP船「CP-16001」は五洋建設、鹿島建設、寄神建設の3社による共同出資会社「PKYマリン株式会社」が保有・運営しており、建造発表時の投資額は約185億円。
完成・引き渡しの発表時に2023年11月から北九州響灘洋上ウインドファームで基礎工事の一部と風力タービン設置をおこなうことが明らかにされていましたが、AIS情報では数カ月前から発信が無い状態が続いていたので気になっていました。
日本船籍のSEP船としては4隻目となる「CP-16001」。クレーン能力は「BLUE WIND」に次ぎ国内2番目の1,600トン吊り。DPS(自動船位保持装置)は搭載されていますが非自航式。「BLUE WIND」と違って曳航する必要があるSEP船「CP-16001」の稼働では、どのような違いが生まれるのか注目してます。
船名 | クレーン能力 | 長さ | 幅 | 深さ | レグ長さ | 作業水深 | 建造年 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
CP-8001 | 800トン | 73m | 40m | 6.5m | 66.7m(86m) | 30m(50m) | 2018年12月 |
BLUE WIND | 2,500トン | 142m | 50m | 11m | 90m(110m) | 45m(65m) | 2022年10月 |
柏鶴 | 1,250トン | 88m | 40m | 7m | 63m(70m) | 不明 | 2023年4月 |
CP-16001 | 1,600トン | 120m | 45m | 7.3m | 不明 | 不明 | 2023年9月 |
半潜水式重量物運搬船「RED ZED I」に搭載して運搬
数カ月前から位置情報の更新が無かったSEP船「CP-16001」のAIS情報に動きがあったのは、2023年10月17日。この時点で「CP-16001」は既に長崎県 長崎市 香焼町にある大島造船所 香焼工場の岸壁に到着していました。
長崎在住の方から運搬船に搭載されて「CP-16001」が運ばれてきたという目撃情報を頂き、長崎付近にいる ”Heavy Lift Vessel”、”Heavy lift cargo” のAIS情報を調べたところ、半潜水式重量物運搬船「RED ZED I」で運搬してきたことが分かりました。
インドネシアから長崎まで約4,630kmを運搬
半潜水式重量物運搬船「RED ZED I」のAIS情報によると、9月22日にインドネシアのバタム島沖を出発し、10月5日に長崎港の沖へ到着。伊王島北東の海域でしばらく停泊した後、10月8日に出港して中国の江蘇省南通市へ向かいました。
AIS情報から10月6日~7日にかけてSEP船「CP-16001」を運搬船から進水させる作業をおこなったようです。どこかの時点でお披露目式がおこなわれるのか不明ですが、国内のSEP船では2番目に大きなクレーンを搭載し、インドネシアで建造された「CP-16001」が初めて日本の海に来たという記念すべきイベントが、特に報道されなかったのは残念です。
5万トン級の半潜水式重量物運搬船「RED ZED I」
SEP船「CP-16001」を運搬した「RED ZED I」は長さ216.71m、幅43m、深さ13.35m、載貨重量トン数はおよそ5万トン、最大で甲板部分を水深13mまで沈めることが出来る半潜水式の運搬船。甲板スペースは、177.3m×43m。船尾側に2つのアイランドがあり、左舷側の小さい方は動かすことが出来ますが、右舷側の方は固定。「CP-16001」の長さは120m、幅45mなので搭載する甲板スペースは問題なさそう。
「RED ZED I」は中国のCIMC Raffles Offshoreで建造され、2015年に同型船の「RED ZED Ⅱ」と同じ日に引き渡しがおこなわれています。
船名 | RED ZED I |
総トン数 | 37,820トン |
載貨重量トン | 51,969トン |
長さ | 216.71m |
幅 | 43m |
深さ | 13.35m |
最大甲板深度 | 13m |
建造年 | 2015年 |
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