超巨大ヨット「Y721」の建造
オランダのカスタムヨット建造を行う「Oceanco」が建造中の超大型ヨット「Y721」を巡って問題が起きているようです。
「Y721」はAmazon創業者のジェフ・ベゾス氏が発注した超巨大ヨット。全長127mあり、2022年の年内中に完成し引き渡しが行われる予定。建造費用は5億ドル。(日本円で575億円、1ドル=115円換算)完成すると、世界最大のヨットになるそうです。
問題となっているのは、完成時にマストが邪魔で海に出るルート上にある橋を通過できないという事。嘘みたいですがホントの話です。
解決策として、通航に支障となる橋を一部解体して巨大ヨットを通し、通過後に復旧するらしい。その橋が「De Hef」と呼ばれる1927年に建設された「コーニングスハーフェン橋」(Koningshaven Bridge)。
ジェフリー・プレストン・ベゾス(Jeffrey Preston Bezos)
超巨大ヨット「Y721」のオーナー、Amazon創業者のジェフ・ベゾス氏。
米誌フォーブスが発表した2021年版の世界長者番付で4年連続で首位となった、米アマゾン・ドット・コム創業者のジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)。保有資産は1770億ドル(19兆4400億円)。株価上昇で前年から640億ドル(約7兆円)増えたそうです。
ヨットが通航するルート
Googleマップで「Oceanco」から海に出るルート上にある橋を確認してみました。
通過する橋は4つ。
通過する橋は4つあるものの、超大型ヨット「Y721」が通航するのに支障となっている橋は2番目の「コーニングスハーフェン橋」のみ。いずれの橋も船舶が航行するために開閉する構造になっている。
ではなぜ、「コーニングスハーフェン橋」だけが通航の支障になるのか?
それは「コーニングスハーフェン橋」が水平に上昇する構造だから。それ以外は跳ね上がる感じに開閉するので高さの制限が発生しない。
それぞれの橋が開閉する画像を見ると分かりやすいです。
1.ファン・ブリーネンオールト橋
アーチが無い部分が開閉するようです。
2.コーニングスハーフェン橋
「Y721」通航の支障になっている「コーニングスハーフェン橋」。(画像右の橋)
橋を最大限まで上げてもマストが付いた状態の「Y721」が通航する事は出来ないそうです。
画像の左に写っている橋は「コーニンギンネ橋」
画像を見ると分かりますが、この「コーニングスハーフェン橋」現在は使用されていません。非常に歴史ある構造物として後世に残される記念碑的な存在だそうです。
3.コーニンギンネ橋
先ほどの「コーニングスハーフェン橋」の横にある橋。
4.エラスムス橋
橋が開閉するのは上の画像で主塔の右側部分。
コーニングスハーフェン橋(Koningshaven Bridge)
コーニングスハーフェン橋は改装のため2014年に中央スパンが取り外されたことがります。そして2017年に再度設置。
作業を行ったのは「Bonn & Mees」の起重機船。
撤去は400トン吊りの「MATADOR」と「MATADOR 2」
設置は1,800トン吊りの「MATADOR 3」。
今回の「Y721」通航のため、コーニングスハーフェン橋を一部撤去し復旧する作業は1,800トン吊りの「MATADOR 3」が有力視されているようです。
Throwing eggs at superyacht Jeff Bezos
「Throwing eggs at superyacht Jeff Bezos」というイベントが話題になっているようです。翻訳すると「ジェフ・ベゾスのスーパーヨットに卵を投げる」。
それだけ「コーニングスハーフェン橋」は地元の方々にとって大切な存在であるということ。復旧する前提でも個人が建造したヨットを通航させるためだけに一時的とはいえ橋を撤去することに反対しています。
今回の方法で計画は進んでいるようですが、決定ではないようなので、地元の方も納得する方法を探した方がよさそうですよね。
マストが無い状態では問題なく通航できるので、別の場所で最終的に組み立てるとか出来そうな気がしますが。事の顛末が気になります。
よく読まれている記事