East Anglia Threeで1,800トンのモノパイル設置

2025年4月25日、ScottishPower Renewablesはイギリス沖の「East Anglia Three」で最初のモノパイル設置を完了し、洋上での建設作業を正式に開始したと発表しました。
ScottishPower Renewablesが開発を進める「East Anglia Three」は、イギリス東部にあるノーフォーク州のグレート・ヤーマスから東へ69kmの北海で開発が進められている洋上風力発電所。総発電容量は1,400MWでSiemens Gamesa製の出力14.7MW風力タービン95基を設置する計画。
設置するモノパイル95基のうち1基目となるモノパイルは、長さ83.89m、直径10.6m、重量1,800トン。ScottishPower Renewablesは、ヨーロッパでジャッキアップ式のクレーン船から設置されたモノパイルとして最大であると説明しています。
「East Anglia Three」で設置予定のモノパイル95基のうち45基はNavantia SeanergiesとWindar Renovablesのコンソーシアムが製造し、残りのモノパイル50基に関しては、Haizea Wind Groupが製造。95基のモノパイルは長さ67~85m、直径最大10.6m、重量1,200~1,800トン。
全95基の風力タービン設置は、2026年初頭までに完了する予定。
「BLUE WIND」と同型船の「Seaway Ventus」による施工

「East Anglia Three」でモノパイルの施工をおこなっているのは、Seaway7の2,500トン吊りSEP起重機船「Seaway Ventus」。
「Seaway Ventus」は、中国の招商局重工(CMHI)で2021年11月に建造が開始され、2023年11月に引き渡しがおこなわれました。船体設計はGustoMSCによるもので、採用されているNG-14000XLと呼ばれる船体型式は清水建設のSEP起重機船「BLUE WIND」と同じ。最大吊り上げ能力2,500トンのジブが伸縮するテレスコピッククレーンを搭載している点も同様。
船名 | Seaway Ventus | BLUE WIND |
クレーン能力 | 2,500トン | 2,500トン |
揚程(ジブ格納) | 116.5m (2,500トン) | 116.5m (2,500トン) |
揚程(ジブ拡張) | 156.0m (1,600トン) | 158.5m (1,250トン) |
長さ | 142m | 142m |
幅 | 50m | 50m |
深さ | 11m | 11m |
レグ長さ | 109m | 90m(最大109m) |
DPS | DP2 | DP2 |
最大乗船人数 | 130人 | 130人 |
2,500トン吊り自航式SEP起重機船「Seaway Ventus」

船名 | Seaway Ventus |
クレーン能力 | 2,500トン |
揚重高さ(2,500トン仕様) | 116.5m |
揚重高さ(1,600トン仕様) | 156.0m |
長さ | 142m |
幅 | 50m |
深さ | 11m |
喫水 | 6.2m |
デッキスペース | 4,600m2 |
レグ長さ | 109m |
最大作業水深 | 65m |
アジマススラスター | 3,500kW×3 |
トンネルスラスター | 3,000kW×3 |
最大航行速度 | 10ノット |
宿泊設備 | 130名 |
DPS | DP2 |
- 2021年11月First Steel Cutting Ceremony 鉄鋼切断式
中国の江蘇省にあるCMHI(China Merchants Heavy Industry)で建造開始
- 2022年6月Keel Laying Ceremony 起工式(キール敷設)
- 2023年1月Launching 進水式
- 2023年3月メインクレーン設置完了
- 2023年7月傾斜試験完了
- 2023年11月Delivery 完成・引き渡し
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