「入善洋上風力発電所」運転開始
2023年10月17日、富山県入善町沖で建設が進められていた入善洋上風力発電所が完成し、竣工式がおこなわれました。事業を手がけるのは、ウェンティ・ジャパン、JFEエンジニアリング、北陸電力の3社が出資・参画する入善マリンウィンド合同会社。
発表されたプレスリリースによると、入善洋上風力発電所が運転を開始したのは2023年9月22日。富山県下新川郡入善町沖に出力3MWの風力タービン3基を設置。出力制御により最大出力7,495kWとして運用し、発電した電力はすべて再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)を活用して売電。
2022年10月より建設工事をスタートし、海上工事については2023年3月に開始。当初予定では8月末に竣工、9月1日の運転開始を目指していましたが、風が弱い時期があったなどの理由から検査や手続きに時間を要し、運転開始は9月22日に遅れたという。
清水建設のSEP船「BLUE WIND」による施工
洋上風力発電所のメイン設備となる風力タービン及びモノパイルなどの基礎部材設置をおこなったのは、清水建設が巨額を投じて建造した2,500トン吊りSEP船「BLUE WIND」。2022年10月に完成したSEP船「BLUE WIND」にとって入善洋上風力発電所が記念すべき初施工の現場でした。
SEP船「BLUE WIND」は関門海峡を通航できないため、九州南側をまわるルートで回航
SEP船「BLUE WIND」は、広島県の呉から入善洋上風力で拠点港にしていた石川県の七尾港まで回航する時、自船に搭載している長さ90mのレグが関門海峡に架かる関門橋(桁下61m)の桁下制限をクリアしていないため通航できないことから、大きく遠回りとなる九州南側を通るルートで回航しました。
巨大油圧ハンマー「S-2000」によるモノパイル打設
出典:IQIP
3MW風力タービンの基礎となるモノパイルは、オランダのメーカー IQIP の油圧ハンマー「S-2000」を使用して打設。油圧ハンマー「S-2000」の他にもモノパイル建て起こしや位置決めをおこなう様々なIQIP製品を使用して施工がおこなわれました。
出典:IQIP
風力タービン、モノパイルなどの基礎部材は中国製
出典:Mingyang Smart Energy
出典:南通润邦海洋工程装备有限公司
風力タービン及びモノパイルなどの基礎部材は中国製。
風力タービンは、中国のタービンメーカー明陽智能(MingYang Smart Energy)が製造した出力3MWの「MySE3.0-135」。モノパイルと補助コンポーネントなど風力タービン基礎部材は、中国の南通润邦海洋工程装备有限公司(ROC,Nantong Rainbow Offshore & Engineering Equipments Co., Ltd.)が製造。
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