ドイツ沖の「He Dreiht」で最初の15MW風力タービン設置


2025年4月25日、EnBWはドイツ沖の「He Dreiht Offshore Wind Farm」で最初の風力タービン設置が完了したことを発表しました。
「He Dreiht Offshore Wind Farm」は、ドイツのボルクム島から北西約90km、ヘルゴラントから西へ約110kmの北海に建設が進められている着床式の洋上風力発電所。Vestas製の15MW風力タービン「V236-15.0 MW」64基と洋上変電所1基を設置する計画で、総発電容量は960MW。2024年5月にモノパイル設置作業が開始され、同年8月に64基のモノパイル設置完了。2025年末から稼働開始の予定。
EnBWはプレスリリースの中で、Vestas製の15MW風力タービン「V236-15.0 MW」が洋上風力発電所に設置されるのは初めてであると述べています。巨大な出力15MW風力タービンはブレード長さ115.5m、ローター直径236m、ハブ高さ142m。風力タービンが1回転すると4世帯が1日に消費する電力量を発電することができ、合計960MWの風力タービン64基で110万世帯分の電力を供給。
15MW風力タービンを設置した1,600トン吊りSEP起重機船「Wind Orca」


「He Dreiht Offshore Wind Farm」で15MWの風力タービン設置をおこなっているのは、Cadelerが所有する1,600トン吊りSEP起重機船「Wind Orca」。
CadelerのSEP起重機船「Wind Orca」は、2023年10月から2024年3月にかけて5ヶ月間におよぶ大規模アップグレードを実施。新造クレーンを載せ替えたことによって吊り上げ能力は1,200トンから1,600トンへ増強、揚程は132mから160mへ増加。20MWの風力タービン設置が可能になりました。
「Wind Orca」はアップグレード後、「He Dreiht Offshore Wind Farm」で施工をおこなう前にスコットランド沖の「Moray West offshore wind farm」でSiemens Gamesaの風力タービン「SG 14-222 DD」設置作業をおこなっています。
船名 | Wind Orca |
クレーン能力 | (メインフック)1,600トン (補助フック)425トン |
揚程 | 160m(甲板上) |
長さ | 160.9m |
幅 | 49.0m |
深さ | 10.4m |
レグ長さ | 105m |
最大作業水深 | 60m |
ジャッキアップ 最大積載重量 | 11,000トン |
スラスター | (船尾)アジポッド 3.4MW×4 (船首)格納式アジマス 2.2MW×2 (船首)トンネル 2.2MW×2 |
速力 | 13ノット |
甲板スペース | 4,300m2 |
甲板強度 | 15t/m2 |
DPS | DP2 |
「He Dreiht Offshore Wind Farm」

名称 | He Dreiht Offshore Wind Farm |
設置位置 | ドイツ ボルクム島の北西約90km、ヘルゴラントの西約110km |
水深 | 37.7~40.6m |
発電容量 | 960MW |
基礎構造 | 着床式、モノパイル |
タービンメーカー | Vestas |
風力タービン | 15MW「V236-15.0 MW」 |
設置基数 | 64基 |
運転開始 | 2025年末 |
事業者 | EnBW |
その他 | 洋上変電所1基 |
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