ディスカバリーチャンネルが世界最大のクレーン船「Sleipnir」紹介動画を公開
2026年7月21日、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーが運営するディスカバリーチャンネルは世界最大のクレーン船「Sleipnir」に関する特集動画をYouTubeで公開しました。
公開された動画は ”【世界最大】常識をぶっ壊した最強のクレーン船「スレイプニル」 の強さ / メガ建造~不可能への挑戦~ シーズン6 Ep1”というタイトルで、調べてみるとスカパー!などで2022年7月に放送された番組のようです。以前からクレーン船「Sleipnir」が登場する番組が放送されていたことは知っていたので、無料のYouTubeで見ることが出来るのは大変ありがたい。
世界最大かつ最強のクレーン船「Sleipnir」


出典:Heerema
長さ220m、幅102m、深さ49.5mという巨大な船体に搭載されているクレーン2基の吊り上げ能力はそれぞれ10,000トン。2基のクレーンを使用したタンデムリフトにより最大20,000トンの吊り上げ能力を発揮する。世界最大かつ最強のクレーン船。
「Sleipnir」という船名の由来は、北欧神話に登場する神獣の一つで主神オーディンが騎乗する8本脚の軍馬の名前。
動画の中で ”重さ14万トンのクレーン船” と紹介されており、クレーン船「Sleipnir」が航行する時の空船状態(喫水12m)で排水トン数は140,070トン。フルバラストで満船状態(喫水32m)にすると排水トン数は273,600トンになる。
| 船名 | Sleipnir |
|---|---|
| 吊上げ能力 | 10,000トン×2基 タンデムリフト 20,000トン |
| 長さ | 220m |
| 幅 | 102m |
| 深さ | 49.5m |
| 喫水 | 12m~32m |
| 建造年 | 2019年 |
| 所有会社 | Heerema Marine Contractors |
LNG燃料を貯蔵する巨大なタンク


出典:YouTube | ディスカバリーチャンネル(@DiscoveryJapan)
クレーン船「Sleipnir」は、MGO(Marine Gas Oil)とLNG(Liquefied Natural Gas:液化天然ガス)双方を切り替えて運転可能なDF(dual fuel)エンジンを搭載。船内のLNG燃料を貯蔵する巨大なタンクが紹介されています。
タンクの直径は8m、高さ25m、容量は1,000m3/基。
船体と接するタンク外周には木製の部材が取り付けられていて、低温のタンクが直接船体に接触するのを防いでいるという。

出典:YouTube | ディスカバリーチャンネル(@DiscoveryJapan)
重量物を吊り上げても船体を安定させる82基のバラストタンク

20,000トン吊りのクレーン船「Sleipnir」において、驚異的な吊り上げ能力を発揮する土台となる船体は半潜水式(Semi Submersible)と呼ばれ、深さが大きいのが特徴。半潜水式クレーン船(SSCV:Semi Submersible Crane Vessel)は、ヨーロッパの北海という過酷な環境でも操作性を高め、さらに優れた吊り上げ能力を提供することを目的として開発されました。
クレーン船「Sleipnir」の船体には82基のバラストタンクがあり、吊り上げる重量に合わせてバラストを調整して船体の安定を保持している。バラストタンクの総容量は13万トン以上。


出典:YouTube | ディスカバリーチャンネル(@DiscoveryJapan)
クレーンを旋回させる5,000個のローラーベアリング


出典:YouTube | ディスカバリーチャンネル(@DiscoveryJapan)
クレーン1基の最大容量である10,000トンを吊り上げた状態で旋回を可能にするため、「Sleipnir」のクレーンには5,000個のローラーベアリングを使用。
クレーン自体の重量9,000トンに加えて吊荷の10,000トン、最大で19,000トンという負荷がかかった状態でも旋回が出来るのは5,000個のローラーベアリングのおかげだという。
15,300トンのトップサイド設置


出典:Heerema
2019年9月、クレーン船「Sleipnir」は15,300トンのトップサイド設置をおこない、吊り上げ世界記録を更新。動画内ではイスラエル沖という説明だけですが、設置場所はイスラエル沖の地中海にあるリヴァイアサンガス田。
それまでの吊り上げ記録は、14,000トン吊りクレーン船「Saipem 7000」が2004年10月に地中海のリビア沖110kmに位置する「Bahar Essalam field」中央プラットフォーム「Sabratha」の設置で記録した12,100トン。
クレーン船「Sleipnir」は、2022年10月4日にデンマーク沖合の北海にあるタイラ油田のトップサイド設置で15,300トンを大きく上回る17,000トンの吊り上げ作業を完了させて、再び吊り上げ世界記録を更新しています。番組の放送日は2022年7月なので、2回目の吊り上げ記録更新については触れられていません。
緊急時の脱出方法、フリーフォール式ボート

出典:YouTube | ディスカバリーチャンネル(@DiscoveryJapan)
クレーン船「Sleipnir」には9艘のフリーフォール式ボートが備えられており、緊急時には630人の避難が可能。落下高さは水面まで55m。
ボートには飲み水、食料、釣具、救命用品、ラジオなどの備品に加えて、24時間分の燃料を備えており約240kmの移動が可能。


出典:YouTube | ディスカバリーチャンネル(@DiscoveryJapan)
【動画】【世界最大】常識をぶっ壊した最強のクレーン船「スレイプニル」 の強さ / メガ建造~不可能への挑戦~ シーズン6 Ep1
クレーン倒壊事故を起こした「ORION」が映り込んでた

重量物を吊り上げたクレーン船が転覆しないために先人たちが開発した技術の紹介として、ドイツのロストックにある造船・海事博物館で展示されているクレーン船「Langer Heinrich」を訪れる場面で、背景にクレーンが倒壊した状態の「ORION」が映り込んでました。
「ORION」のクレーン倒壊事故が起きたのは、2020年5月2日。倒壊したクレーンを撤去して、再度クレーンの設置をおこなったのが2022年1月。
何の意図もないと思いますけど、気になる方は動画の 14:37 を見て下さい。















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