#16 五島沖風力で不具合 戸田建設、業績予想を純利益38億円下方修正

出典:TODA CORPORATION
2023年5月9日、戸田建設は「五島市沖洋上風力発電事業」において製作中の浮体構造に不具合が発見され再製作などの費用が大幅に増加するとして、2023年3月期において約95億円の減損損失を計上すると発表。2022年10月末に発表した2023年3月期の連結業績予想には、既に約32億円の減損損失を見込んでいたため業績修正への影響は63億円の減損損失増加としている。この時に発表された2023年3月期の通期連結業績予想では純利益を109億円とし、前回予想から38億円下方修正した。
2023年9月22日には、”浮体構造部の不具合”により運転開始時期をこれまでの2024年1月から2年延期となる2026年1月になることを明らかにした。
設置予定の浮体式洋上風車8基のうち長崎県五島市の福江港にある製作ヤードで製作中の浮体に関しては不具合事象の確認と原因究明および対策工法の検討を実施し、是正措置をおこなう。問題なのは、すでに海上に設置している3基の浮体式風車。こちらの3基については、設置している3基のうち1基を福江港岸壁に陸揚げし、浮体構造部の健全性を検証したうえで、残りの設置済浮体2基の取扱いについて判断する予定。
- 五島沖風力で不具合 戸田建設、業績予想を純利益38億円下方修正
- 五島市沖洋上風力で浮体構造部の不具合により運転開始を2年延期
- 長崎で建設中の浮体式洋上風力 スパー型の浮体が起き上がる瞬間
- 五島市沖洋上風力で海上の風車組立作業開始
#15 ASEAN首脳会談の最中、インドネシアで元日本のフェリーが火災

2023年9月6日午前10時50分頃(現地時間)、インドネシアのジャワ島西部にある港に係留していたフェリー「MUTIARA BERKAH I」で火災が発生。ちょうど同じ頃、火災が起きた港からおよそ100km離れたインドネシアの首都ジャカルタでは、第26回ASEAN首脳会議が開催されていました。
フェリー「MUTIARA BERKAH I」は港で乗客や車両などの乗船が完了し、出港準備が整った直後に火災が発生。事故当時、フェリーには車両135台と乗員乗客合わせて159人が乗っており、5人が病院に救急搬送されたそうです。
フェリー「MUTIARA BERKAH I」は、2017年まで日本で運航していた「フェリーあざれあ」。1994年に竣工し、「フェリーしらかば」とともに新潟港-小樽港航路に就航。その後、敦賀港-新潟港-秋田港-苫小牧東港の寄港便へ配船され、2017年3月13日に引退。
フェリー「MUTIARA BERKAH I」は昔、日本で運航していた「フェリーあざれあ」

出典:X | @rofer_id

出典:Wikipedia | Tanimachi77 – 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 3.0, リンクによる
緊迫した状況でアクロバットな避難方法も


出典:YouTube | CNN Indonesia
#14 富山県入善町沖で使用するモノパイルが完成し中国から出荷

出典:南通润邦海洋工程装备有限公司
富山県入善町の横山地区沖で計画が進められている洋上風力発電所で使用するモノパイル3本や補助コンポーネントなど風力タービンの基礎部材が完成し、運搬船「DONGBANG GIANT NO 3」に積み込まれ、日本への出荷がおこなわれました。
モノパイルなどの基礎部材製造をおこなったのは、中国の南通润邦海洋工程装备有限公司(ROC,Nantong Rainbow Offshore & Engineering Equipments Co., Ltd.)。2022年9月に润邦海洋は日本の企業と洋上風力発電プロジェクトの契約を結んだことを発表していましたが、日本側の企業名や洋上風力発電プロジェクトの名称については伏せられていました。
- 富山県の入善沖で使用する中国の洋上風車 適合性評価を完了
- 中国の润邦海洋が日本企業と洋上風力発電プロジェクトの契約締結
- 富山県入善町沖で使用するモノパイルが完成し中国から出荷
- 清水建設のSEP船「BLUE WIND」初任務へ向け いざ日本海へ
- 入善町沖洋上風力で設置する明陽智能の風力タービンが天津港を出港
- SEP船「BLUE WIND」 ⼊善洋上⾵⼒の洋上風車建設に着手
- 入善洋上風力「BLUE WIND」による風力タービン設置開始
- 入善洋上風力で「BLUE WIND」が使用した巨大油圧ハンマー
- 「BLUE WIND」施工の「入善洋上風力発電所」運転開始
#13 SEP起重機船吊り上げ能力ランキング【世界TOP8】

洋上風車設置作業に特化したSEP起重機船。世界的に洋上風力発電所の建設が拡大する中で設置作業をおこなうSEP起重機船の建造ラッシュも継続中。当サイトで紹介したSEP起重機船だけでも、2023年に11隻の完成・引き渡しがおこなわれています。日本の企業からも五洋建設・鹿島建設・寄神建設の3社による共同出資会社 PKYマリン株式会社 の1,600トン吊りSEP船「CP-16001」、大林組と東亜建設工業の共同建造による1,250トン吊りSEP船「柏鶴」が2023年に完成しました。
2023年9月に作成したSEP起重機船吊り上げ能力ランキング【世界TOP8】では、記事作成時に完成していたクレーン能力1,600トン~3,200トンのSEP起重機船8隻を紹介。まだ数カ月しか経過していませんが、その後完成したSEP起重機船によりランキングは既に変動しています。急速に発展している最中なので状況の変化も目まぐるしい。
2023年9月時点のSEP船ランキング
順位 | 船名 | クレーン能力 |
---|---|---|
1 | Voltaire | 3,200トン |
2 | BLUE WIND | 2,500トン |
〃 | Longyuan Zhenhua 6hao | 2,500トン |
4 | Bai He Tan | 2,000トン |
〃 | LongYuanZhenhuaSanHao | 2,000トン |
6 | CP-16001 | 1,600トン |
〃 | Aeolus | 1,600トン |
〃 | Bold Tern | 1,600トン |
2023年12月時点のSEP船ランキング
順位 | 船名 | クレーン能力 |
---|---|---|
1 | Voltaire | 3,200トン |
2 | BLUE WIND | 2,500トン |
〃 | Longyuan Zhenhua 6hao | 2,500トン |
〃 | NEW Seaway Ventus | 2,500トン |
〃 | NEW 海峰1001 | 2,500トン |
6 | Bai He Tan | 2,000トン |
〃 | LongYuanZhenhuaSanHao | 2,000トン |
8 | NEW 海峰1002 | 1,800トン |
9 | CP-16001 | 1,600トン |
〃 | Aeolus | 1,600トン |
〃 | Bold Tern | 1,600トン |
〃 | NEW 華西1600 | 1,600トン |
〃 | NEW 中天31 | 1,600トン |
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