Arcadis Ost 1で27基すべての風力タービン設置完了
Parkwind and partners defy autumn storms to complete installation of final towers and turbines at Arcadis Ost 1
(Parkwindとパートナーは秋の嵐をものともせず、Arcadis Ost 1 の最終タワーとタービンの設置を完了)
https://parkwind.eu/news/parkwind-and-partners-defy-autumn-storms-to-complete-installation-of-final-towers-and-turbines-at-arcadis-ost-1
2023年11月16日、Parkwindはドイツのバルト海で建設が進められている洋上風力発電所「Arcadis Ost 1」の27基すべての風力タービン設置が完了したことを発表。
2023年4月の時点で風力タービン27基のうち24基の設置が完了していましたが、残りの3基についてはタービンメーカーVestasによる部材納品に遅延が生じ、設置完了が秋に遅れることが明らかにされていました。
「Arcadis Ost 1」の設置エリアは軟弱な海底地層が厚く、SEP船によるジャッキアップが困難であるため、着床式風力タービン基礎のモノパイルおよび上部に搭載するタワー、ナセル、ブレードの設置作業をSEP船以外で施工。実際にモノパイル設置をおこなったのは5,000トン吊りクレーン船「ORION」、そしてVestas製の風力タービン「V174-9.5 MW」を設置したのは14,200トン吊りクレーン船「Thialf」。
残り3基の風力タービン設置も「Thialf」で施工
残り3基の風力タービン設置をおこなったのは、これまでの24基と同様に14,200トン吊りクレーン船「Thialf」。2023年4月に24基の設置が終了した時点で一度バルト海を離れ、北海側へ戻っていましたが風力タービン3基を設置するために再度バルト海へ。
オランダのロッテルダムからドイツのバルト海沖までの航行距離は約1,450km。日本で言うと、福岡から札幌までの直線距離とほぼ同じ。「Thialf」のAIS情報を見ると、10月23日にデンマークのシェラン島とフュン島を結ぶ橋 Great Belt Link を通過して、10月26日にバルト海の「Arcadis Ost 1」へ到着。Parkwindの掲載記事によると3基の風力タービン設置作業は8日以内に完了。施工が終わると、11月4日には「Arcadis Ost 1」を出発。約1,450kmを航行して11月12日にオランダのロッテルダムに帰港しています。なので、ほんとに風車3基設置のためだけに往復で半月以上もかけて「Thialf」はオランダからドイツへ回航したようです。
風力タービン3基を設置する施工に関しては変更有りませんが、「Thialf」の回航費往復分はすべて追加費用。恐ろしい金額になりそうですけど、風力タービン部材の納期遅延という原因を発生させたVestasが費用を被るんでしょうか。その辺、気になりますが詳細は不明。
「Arcadis Ost 1」の概要
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