岡山県笠岡市にJFEエンジニアリングのモノパイル製造工場完成
2024年3月19日、JFEエンジニアリングが岡山県笠岡市に建設していた国内初のモノパイル製造工場が完成。
JFEエンジニアリングでは、2020年12月に発表された「洋上風力産業ビジョン(第1次)」において2040年までに30~45GWの案件形成と国内調達比率を60%にするという政府目標が示されたことを受け、2021年4月に風力基礎PJチームを立ち上げて、2022年6月にモノパイル式基礎製造工場の建設を開始したという。
モノパイル製造工場の工場建屋、機械設備、岸壁整備などに加えて津製作所の設備増強費含む投資規模は400億円程度。
生産開始は2024年4月の予定。とウェブサイトには記載されていますが、差し当たって案件があるのか少し気になるところ。国内初のモノパイル製造工場完成は、日本の洋上風力発電にとって大きな意味があり、今後の活躍には期待しかない。
最大直径12m、重量2,500トンのモノパイル製造に対応
岡山県笠岡市に建設されたモノパイル製造工場は敷地面積約20万m2の中に、素管工場、ブラスト・塗装工場、移動建屋、保管ヤードがある。そして、製品を出荷する岸壁は水深-11mで長さ200m(岸壁全長 400m)あり、大型の重量物運搬船での出荷作業も問題なさそう。
気になるモノパイル製造能力は直径12m、板厚130mm、長さ100m、重量2,500トンのモノパイルに対応し、年間8~10万トン(約50セット)の製造が可能。世界トップクラスの製造施設と比較しても見劣りしない程の高い生産スペック。
製造メーカー | JFEエンジ 笠岡 | CWHI 欽州ヤード | Dajin Offshore 蓬莱生産基地 | Dajin Offshore 盤錦生産基地 | Sif Group アップグレード後 | EEW SPC ロストック |
年間製造能力 | 8~10万トン | 65万トン | 50万トン | 50万トン | 50万トン | 25万トン |
最大直径 | 12m | 15m | 11.5m | 16m | 11m | 12m |
最大重量 | 2,500トン | 4,500トン | 2,500トン | 5,000トン | 2,500トン | 2,500トン |
最大長さ | 100m | 不明 | 120m | 不明 | 105m(拡張前) | 120m |
着床式基礎の純国産フルラインナップ
JFEエンジニアリングは、急拡大する洋上風力発電の建設需要に応えるとともに、カーボンニュートラル実現に大きく貢献するため着床式基礎の純国産フルラインナップ体制を目指すとしています。
三重県津市にあるJFEエンジニアリング津製作所ではジャケット製作とトランジションピース最終組立、そして今回完成した笠岡のモノパイル製造工場ではモノパイルとトランジションピース素管を製造。トランジションピース素管については笠岡から津へ海上輸送し、2次部材、内装品を設置して製品を完成させる。
これにより、着床式洋上風力タービンで使用する基礎部材のモノパイル、トランジションピース、ジャケットという3点を国内拠点で製造可能になるという。
よく読まれている記事