台湾のHai Long洋上風力で2025年の設置作業を開始

台湾のHai Long洋上風力で2025年の設置作業を開始 洋上風力発電
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台湾のHai Long洋上風力で2025年の設置作業を開始

4,000トン吊りクレーン船「Green Jade」によるHai Long 3でのジャケット基礎杭設置
出典:CSBC-DEME Wind Engineering

2025年3月7日、CSBC-DEME Wind Engineering(CDWE)はHai Long 3で最初のジャケット基礎杭設置を完了し、2025年の設置作業が始まったことをLinkedInへの投稿で発表しました。

台湾西部の彰化県沖で建設が進められている「Hai Long Offshore Wind」の2A(294MW)、2B(224MW)、3(504MW)では、Siemens Gamesaの14MW風力タービン「SG 14-222 DD」を73基と洋上変電所2基を設置する計画。風力タービンおよび洋上変電所の基礎はジャケットを採用。

「Hai Long Offshore Wind」の洋上建設作業は2024年4月に開始されており、ジャケット基礎杭打設や洋上変電所設置の作業をおこなっているのは4,000トン吊りクレーン船「Green Jade」。

風力タービン用のジャケット基礎杭は韓国EEW KHPC(156本)、台湾CSBC(63本)で製造・供給されており、風力タービン基礎のジャケットについては韓国のSK Oceanplant(52基)、台湾のCentury Wind Power(21基)で製造されている。SK Oceanplantで製造したジャケットを海上輸送するため、運搬船へ積み込む様子がYouTubeにアップロードされていたので記事後半に掲載しています。積み込みには10,000トン吊り起重機船「Hyundai-10000」が使用されているので要チェック。

製造・供給部材企業名数量設置場所
ジャケット基礎杭EEW KHPC156本2B、3
ジャケット基礎杭CSBC63本2A
ジャケットSK Oceanplant
(旧 Samkang M&T)
52基2B、3
ジャケットCentury Wind Power21基2A
風力タービン基礎の製造分担

2025年に風力タービン設置作業を開始

2024年12月10日に「Hai Long Offshore Wind」が公表したプレスリリースによると、2024年に実施した施工でHai Long 2の洋上変電所およびすべての風力タービン用ジャケット基礎杭の設置、そしてHai Long 3の洋上変電所基礎設置が完了したという。

現地海域の気象海象により冬季は施工が中断されていましたが、このたび開始した2025年の作業ではHai Long 3の洋上変電所および風力タービン基礎の設置完了、そしてHai Long 2では風力タービン設置作業が開始される予定。

海底ケーブル敷設などの施工も順次進められ、2025年末にHai Long 2の建設完了、2026年にHai Long 3の建設完了を目指している。

「Hai Long Offshore Wind」の概要

海龍洋上風力(Hai Long Offshore Wind)の概要
  • 設置位置:台湾 彰化県の海岸から45~70km沖合、水深35m~55m
  • 発電容量:1,022MW(2A=294MW、2B=224MW、3=504MW)
  • 風力タービン:Siemens Gamesa SG 14-222 DD、14MW、73基
  • 風車基礎:着床式、ジャケット
  • 運転開始予定:2025年
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DP3搭載 4,000トン吊り自航式クレーン船「Green Jade」

4,000トン吊り自航式クレーン船「Green Jade」
出典:CSBC
船名Green Jade(環海翡翠)
吊上能力4,000トン吊
長さ216.5m
49.0m
深さ16.8m
推進器アジマススラスター 4×4,500kW
格納式スラスター  2×4,200kW
トンネルスラスター 2×2,500kW
DPSDP3
甲板スペース168m×49m
甲板強度20t/m2(ダブルデッキ)
宿泊設備160人
建造年2023年6月
(建造開始:2020年9月)
建造場所CSBC’s shipyard in Kaohsiung:台湾
所有会社CDWE
(CSBC[台湾]とDEME Offshore[ベルギー]の合弁会社)

台湾初の洋上風力向け自航式大型クレーン船として、台湾南部の高雄市にある台湾国際造船股份有限公司(CSBC)で建造され、2023年6月に完成・引き渡し。4,000トン吊りのメインクレーンは、日本最大の起重機船「海翔」によって設置作業がおこなわれました。

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「Hyundai-10000」による重量2,200トンのジャケット出荷

韓国のSK Oceanplant(旧 Samkang M&T)で製造した「Hai Long Offshore Wind」向けジャケットの出荷作業の様子。動画の説明によると、ジャケットの重量は2,200トン、高さは最大94m。

積み込みに使用しているのは、10,000トン吊り起重機船「Hyundai-10000」。高さ94mという巨大なジャケットですが、揚程は全く問題なし。「Hyundai-10000」は、2本のジブに1,250トン吊りのメインフック8基を備えており、ジャケット吊り上げには右舷側のジブに搭載しているメインフック4基を使用。

SK Oceanplantによるジャケット初出荷の動画投稿日は2024年6月28日ですが、2024年4月2日に初出荷のプレスリリースが公開されていました。

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