秋田、新潟、長崎の国内3区域で洋上風力発電事業者選定
経済産業省及び国土交通省は、海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律「再エネ海域利用法」に基づき、「秋田県八峰町及び能代市沖」、「秋田県男鹿市、潟上市及び秋田市沖」、「新潟県村上市及び胎内市沖」、「長崎県西海市江島沖」の計4区域について、洋上風力発電事業を実施する事業者を選定する公募を実施。「秋田県八峰町及び能代市沖」を除く3区域について選定事業者を発表しました。
リンク先 経産省 | 「秋田県男鹿市、潟上市及び秋田市沖」、 「新潟県村上市及び胎内市沖」、「長崎県西海市江島沖」における洋上風力発電事業者の選定について
15MW、18MWという巨大洋上風力タービンを設置
設置場所 | タービンメーカー | 単機出力 | 設置基数 | 総発電出力 | 運転開始時期 |
---|---|---|---|---|---|
秋田県男鹿市、潟上市及び秋田市沖 | Vestas | 15MW | 21基 | 315MW | 2028年6月 |
新潟県村上市及び胎内市沖 | GE | 18MW | 38基 | 684MW | 2029年6月 |
長崎県西海市江島沖 | Vestas | 15MW | 28基 | 420MW | 2029年8月 |
事業者が公表された3区域で設置が計画されている洋上風力タービンは15MWと18MW。現状、国内で設置がおこなわれている洋上風力タービンのうち最大のものは「北九州響灘洋上ウインドファーム」のVestas製 9.5MW風力タービン「V174-9.5 MW」。比較すると、倍までいきませんが単機出力は60~90%増加しています。
Vestasの15MW洋上風力タービン「V236-15.0 MW」は先日、2023年12月にDNVから型式認証取得が発表されています。GEの18MWのほうは、すでに型式認証を取得している「Haliade-X 14.7MW-220」と同じプラットフォームを使用した上で、18MWバージョンを開発中。なので、開発が間に合わないというパターンも少なからず可能性としてありそう。運転開始まで残り5年半、製造・設置の工程を考慮すると時間に余裕があるという訳ではない。
GE、大型洋上発電タービン ハリアデ-Xの次世代機、17-18MWモデルを日本市場へ導入
https://www.ge.com/news/press-releases/ge-17-18-megawatt-haliade-jp
- GEリニューアブルエナジーは、大型洋上発電タービンであるハリアデ-Xモデルの次世代機である17-18MWモデルを日本市場向けに導入すると発表
- 日本の洋上風力の公募第二ラウンドに参加する顧客を事業性向上で支援
- 日本の風況などの環境に対応した、Class Tを取得する
- 既に導入が決まっている12-14MWモデルと同様に東芝と協力し、ナセルの国産化に加えて従来からの国内サプライチェーンの構築を強化
タービン設置作業をおこなうSEP船は5隻
出典:Japan Marine United Corporation
出典:PENTA-OCEAN CONSTRUCTION
出典:OBAYASHI CORPORATION
出典:PENTA-OCEAN CONSTRUCTION
現在、国内には800トン~2,500トン吊りのSEP起重機船4隻がいます。さらに5隻目として、五洋建設とDEMEは2021年10月に合弁会社「ジャパンオフショアマリン(JOM)」を設立し、900トン吊りから1,600トン吊りへクレーンのアップグレードが予定されているSEP起重機船「Sea Challenger」をJOMで改造、所有し、日本船籍化することを発表しています。
船名 | Sea Challenger |
クレーン能力 | 900トン |
ブーム長さ | 95m |
長さ | 132.41m |
幅 | 39.00m |
深さ | 9.00m |
ペイロード | 6,000トン |
デッキ面積 | 3,350m2 |
レグ長さ | 82.5m、4本 |
SEP起重機船に関しては、これまでに建造が進められていたので15MW~18MWという巨大な風力タービン設置にも対応は出来そうです。問題となるのは、その風力タービンを支える基礎。ジャケット式であれば施工は出来そうな気がしますが、モノパイルとなると少し不安。というのも15MWクラスの風力タービン基礎モノパイルは、重量2,000トンにもなるので施工が出来る作業船は限定される。
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