中国からMoray West向け風力タービンタワー輸送開始
中国の大金重工有限公司(Dajin Offshore Heavy Industry)は、スコットランド沖で建設が進められている「Moray West Offshore Wind Farm」向けとなる風力タービンタワーの輸送を開始しました。Siemens Gamesa製の風力タービン「SG 14-222 DD」に使用されるタワーで、中国のサプライヤーとしてヨーロッパ風力市場へ納入するのは初めてとなる。
初回分の風力タービンタワーを輸送するのは、Jumbo Maritimeの重量物運搬船「Jumbo Jubilee」。AIS情報によると、2024年4月1日に山東省煙台市蓬萊区にある大金重工の生産拠点を出港。
「Moray West Offshore Wind Farm」では、設置が予定されている風力タービン60基と洋上変電所2基の基礎となるモノパイル62基のうち48基を大金重工が製造を担当しており、2023年11月に全48基の出荷が完了しています。モノパイルだけではなく、風力タービンタワーも中国で製造するというのは少し驚き。
風力タービンタワー以外のナセル、ブレードについてはそれぞれドイツのクックスハーフェン、イギリスのハルにあるSiemens Gamesaの生産拠点で製造されています。
SEP起重機船「Wind Orca」による14MWの風力タービン設置予定
「Moray West Offshore Wind Farm」で14MWの風力タービン設置をおこなうのは、クレーンを載せ替える大規模アップグレードを完了させたCadelerのSEP起重機船「Wind Orca」。アップグレードにより最大吊り上げ能力は1,200トンから1,600トンへ増強され、揚程は132mから160mへ。
AISで位置情報を確認すると、4月4日時点ではまだデンマークのエスビャウ港に停泊しており準備中のようでした。今後の活躍が楽しみです。
船名 | Wind Orca |
クレーン能力 | (メインフック)1,600トン (補助フック)425トン |
揚程 | 160m(甲板上) |
長さ | 160.9m |
幅 | 49.0m |
深さ | 10.4m |
レグ長さ | 105m |
最大作業水深 | 60m |
ジャッキアップ 最大積載重量 | 11,000トン |
スラスター | (船尾)アジポッド 3.4MW×4 (船首)格納式アジマス 2.2MW×2 (船首)トンネル 2.2MW×2 |
速力 | 13ノット |
甲板スペース | 4,300m2 |
甲板強度 | 15t/m2 |
DPS | DP2 |
「Moray West offshore wind farm」の概要
「Moray West offshore wind farm」は、EDP Renewables と Engie の合弁会社 Ocean Winds および Ignitis Group によって開発されており、Siemens Gamesa「SG 14-222 DD」60基、洋上変電所2基の設置を計画している。変電所2基を含むすべての基礎は、モノパイルを採用。総発電容量は882MW、風力タービンの単機出力はパワーブーストにより14.7MWへ引き上げられる予定。
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