大分ホーバークラフト1番船修理に向け作業開始、修理には約5ヵ月
操縦士の訓練開始当日にあたる昨年11月8日に大分空港側の斜路でガードレールに接触する事故を起こした大分ホーバークラフト1番船「Baien」の修理に向けた確認作業がおこなわれたようです。
2月10日、ホーバークラフトを建造したGriffon Hoverworkのスタッフがイギリスから来日し、事故が起きた大分空港の発着場に残されたままとなっている1番船「Baien」のエンジンをかけて船体を浮かせたあと船の向きを変えるなどして破損状況を確認。
事故後に公表されていた「Baien」の復旧予定でも船体修理は大分でおこなうとしながらも、造船会社Griffon Hoverworkが修理作業にあたることが明らかにされていました。修理の開始時期は、公表時点で2024年1月に到着予定だった3番船「Tanso」が到着後とされており、「Tanso」はまだ日本に到着していないのでスケジュール的には少し遅れているのかもしれません。そして、未定とされていた修理期間については、5カ月程かかる見込みという報道がされています。
現段階での大分ホーバークラフト運航開始予定は、昨年末の発表から変わらず2024年秋を目指しているという。
すぐに修理を開始しないのはなぜ?
Griffon Hoverworkのスタッフが来日し、修理する人的体制は整ったように見えますが本格的な修理作業を開始するのは3番船「Tanso」が到着してからになるという。
すぐに修理を開始しない理由は不明ですが、今回の修理で要になるのは破損個所の代替部品。その調達がまだのため修理を開始できないのかもしれません。1番船「Baien」を修理するのに3番船「Tanso」の到着を待っているという点から運搬船に代替部品や修理に必要な機材などを合積みしている可能性も考えられます。
「Baien」で事故が起きたのは11月8日。そして、「Tanso」を積んだ運搬船がイギリスを出港したのが12月8日。出港までに1ヶ月あったので、事故を受けて必要な物品を一緒に積んでいるため3番船「Tanso」の到着を待っているのかもしれません。
船名 | イギリス 出港日 | 日本 到着日 | 運搬日数 (英→日) | 到着から納入 までの日数 | 納入日 | 当初の 納入予定日 | 遅延日数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Baien | 7月15日 | 8月24日 | 40日 | 15日 | 9月8日 | 2023年7月20日 | 50日 |
Banri | 9月20日 | 11月8日 | 49日 | 9日 | 11月17日 | 2023年10月12日 | 36日 |
Tanso | 12月8日 | ― | ― | ― | ― | 2024年1月18日 | ― |
3番船「Tanso」を運ぶ運搬船「WIEBKE」の動静
気になる3番船「Tanso」を積んだ運搬船「WIEBKE」の現在地は中国 上海。黄浦江という上海市内を流れる川の中で荷役している模様。
昨年12月にイギリスを出港した時点では2024年1月到着予定でしたが、紅海周辺で商船を標的とした攻撃が起きているため安全上の理由から運搬船の航行ルートはスエズ運河を通るルートからアフリカ大陸南端の喜望峰を通るルートへ変更されています。このルート変更により到着が予定から2~3週間ほど遅れ、2月上旬になると大分県から発表されていました。
上海から大分までの所要日数は3日間
上海から大分港までの距離は約1,300km、約700海里。平均10ノットの速力で航行すると、大分到着までの所要時間は70時間≒3日間。いつ上海を出港するのか、そして次の仕向港が大分なのかは分かりませんが、近くまで来ているので2月中には日本に到着しそうです。
重量物運搬船「WIEBKE」
船名 | WIEBKE |
総トン数 | 8,397トン |
載貨重量トン | 9,370トン |
搭載クレーン | 320トン×2基 200トン×1基 |
長さ | 152m |
幅 | 20m |
建造年 | 2000年 |
よく読まれている記事