フーシ派の攻撃を受けた貨物船「RUBYMAR」から油流出
アメリカ中央軍(U.S. Central Command)は、2024年2月18日の午後9時30分から午後10時40分の間にイランの支援を受けたイエメン武装組織フーシ派が貨物船「RUBYMAR」を攻撃したと発表。
貨物船「RUBYMAR」のAIS情報によると、攻撃を受けた時に貨物船はサウジアラビアのラス・アル・ハイル(Ras Al-Khair)を出港し、紅海・スエズ運河を通るルートでブルガリア北東部にある黒海沿岸の都市ヴァルナ(Varna)へ向かっていた。
攻撃を受けた貨物船「RUBYMAR」は海上に停泊していますが、ゆっくり浸水している状態にあるという。そして、重大な損傷を受けた船体からは18マイル(約29km)に渡って油の流出が確認されている。
積荷の肥料41,000トン以上が沈没により流出する可能性
徐々に浸水している状態の貨物船「RUBYMAR」には積荷として41,000トン以上の肥料が積まれているという。
アメリカ中央軍もXへの投稿で、既に発生している油流出に加えて船体沈没により積荷の肥料が紅海に流出し、環境被害が悪化する可能性について述べています。
米軍支援の下で攻撃を受けた貨物船「RUBYMAR」をサウジアラビアの紅海に面した都市ジェッタへ曳航するという情報も報道されていますが、サウジアラビア当局と米海軍は対応を明らかにしていない。貨物船を曳航するとなると、さらなる攻撃の標的として狙われるリスクが高いことから簡単に曳航する判断はできないものと思われる。
報道されている情報では、貨物船「RUBYMAR」の乗組員は全員避難しているとのこと。
貨物船「RUBYMAR」のRegister of Ship、建造場所は日本
貨物船「RUBYMAR」は、日本の船級協会である日本海事協会(ClassNK)で船級登録されています。登録されているRegister of Shipの情報を照会した結果、船主および運航会社、建造場所については以下の通り。建造場所は、兵庫県神戸市に本社を置き、広島県東部・尾道市に製造拠点がある日本の Onomichi Dockyard Co., Ltd.(尾道造船株式会社)でした。
バラ積み貨物船「RUBYMAR」
船名 | RUBYMAR |
総トン数 | 19,420トン |
載貨重量トン | 32,211トン |
長さ | 171.6m |
幅 | 27m |
船籍 | ベリーズ |
建造場所 | 尾道造船 |
建造年 | 1997年1月 |
【X】アメリカ中央軍(U.S. Central Command)の投稿
(投稿の翻訳)
2月18日午後9時30分から午後10時40分の間、イランが支援するフーシ派テロリストがベリーズ船籍の英国所有のばら積み貨物船「M/V ルビマール」を攻撃した。 船は停泊していますが、ゆっくり浸水している。 イランが支援するフーシ派テロリストによるいわれのない無謀な攻撃により、船に重大な損傷が生じ、18マイルに及ぶ油膜が発生した。 M/V Rubymar は攻撃されたとき、41,000 トンを超える肥料を輸送していましたが、肥料が紅海に流出し、この環境災害をさらに悪化させる可能性があります。 フーシ派は、漁業、沿岸地域社会、食料輸入を脅かしている無差別攻撃の地域的影響を無視していることを示し続けている。
X | U.S. Central Command(@CENTCOM)
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